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2013年3月 5日 (火)

定電流回路 いろいろ

トランジスタを使った定電流回路。 FETを使った定電流回路。 その他のいろいろ組み合わせた定電流回路を紹介いたします。   

色々な方式がありますが、みな、負荷が変動したとしても同じ電流を流し続けようとする回路です。 インピーダンスが高いとも言えます。 

 

CC1

CC2 CC3

(回路図をクリックすると別ウインドウでポップアップするようにしました。2013-5-14 )

これらの名称は、便宜上つけただけで、正式な呼び名ではありません。 正式な名称があるのかどうかも、ちょっと分りません。 

 

 

■抵抗式

抵抗1本です。  最も簡単な回路です。 電源電圧が高く電圧が定電圧化されている場合には、差動回路の定電流回路として使うことができます。

 

 

■FET式

1はidssそのままの電流で使う場合です。 
2はソース側に抵抗が入っていてそこで電流の調整ができます。  

定電流ダイオードも基本的にはFET式1と内部構造は同じです。 idssのバラつきがありますので、正確に電流を設定するには向きません。

 

 

■ZD基準式

Aのラインにツェナーダイオードへ流す電流を流しておきます。 Bのラインが定電流になっています。

この方式はアンプで良く使われます。 大抵の場合、ツェナーダイオードにコンデンサをパラっておきます。 ZDはノイズを発生するからです。

 

 

■カレントミラー式 4種類

1が基本構成です。 2はTRをダイオードに置き換えたタイプ。 
3は更に抵抗をダイオードに置き換えたタイプで、ある意味ZD基準式に近い形です。 
4は更に抵抗に置き換えたタイプです。 

どれもAラインに電流を流して、Bラインへ高インピーダンスで出力するものです。 
Aラインの電流が変動すると、Bライン電流も変動します。 3のタイプだけ変動は少ないです。

 

 

■フィードバック式

電源電圧が低いときにでも高インピーダンスで出力することが可能です。 強力にフィードバックがかかっているため、Aラインに流れる電流に影響されにくいです。

応用例として、カレントミラー式やフィードバック式のBラインにカスコード回路をいれて更に高インピーダンス化にする手法もありますが、アンプでの採用例は少ないようです。

 

 

HPA-12で採用しているのは、フィードバック式です。 もともとAラインの影響を受けにくい回路ですが、そこに定電流ダイオードを使って電流変動を抑えていますので、より電源電圧変動に強くなっています。

過去に、アンプの初段の定電流回路でZD基準式、カレントミラー式2と4、フィードバック式を試したのですが、それぞれ音に特徴があり、一概にどれが有利とは言えません。 またAラインへの電流供給回路も結構影響があります。 できるだけ電源電圧変動の影響がでないような回路にするのが好ましいと思います。

 

 

その他の回路は、こちらからどうぞ。  秘蔵のアンプ回路設計マニュアル 



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コメント

おっと、こんな記事が…

早速質問で失礼しますが、
FET式2の場合ですが、流れる電流値は最大でIdss(R=0)で、Rを増やすと減少していくとなると思いますが、その変化を算出する方法に思い当たりません。

流したい電流を2.5mAとした場合、Idss=9mAの場合
9-2.5=6.5mA
抵抗に加わる電圧が0.5Vにしたい場合
0.5/6.5=77ohm

Idss=7mAの場合は
7-2.5=4.5mA
0.5/4.5=110ohm

などという計算でいいんでしょうか。

天 麩羅夫さん

idssのバラつきが大きいので狙った電流値にするにはJFETの選別か、可変抵抗を使わなければいけません。

分かりやすい説明がこちらにありました。
http://bccweb.bai.ne.jp/ichian/analog/loadline/loadline4.htm

このようにロードラインを書いてしまえば良いです。

楽しないで実地できっちりあわせるか、特性取って線引くのが確実ですね。

天 麩羅夫さん

そうですね。 きっちり数値を出したいのであれば半固定抵抗で調整するのが良いと思います。それでも回路がシンプルですからメリットあります。

ありがとうございました。

天 麩羅夫さん

トランジスタを使った定電流回路だと、どうしても2ライン必要になりますが、JFETだと単線で定電流化が可能ですからね。
定電流ダイオードも中身はJFETというのは良く言われています。外観からはわからないですが。。。

fet式の部品の名前を教えてください。
      ||
    ∧||_∧
   ( TДT)
    ミ≡≡≡j
    ミ≡≡≡j
    ミ≡≡≡j
   ヽ)ヽ)

JFETなら何でも良いですが、低ノイズ品の方がオーディオ用の定電流回路としては適しています。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-11248/
このあたりはいかがでしょうか。


カレントミラー式3でダイオードが2つ必要な理由はなんでしょうか?
また、このあたりの回路を勉強するのによい参考書があったら教えてください。

少しだけ文章でも説明しているのですが、一つ目のダイオードは、カレントミラー式1と一緒で、トランジスタのVbeに相当する電圧をダイオードで作っています。

2つ目のダイオードは抵抗を使ったカレントミラー式2の安定化を強化した意味が強いです。 例えは、Aラインに流れる電流が 2mAから4mAに増えたとすると、抵抗ならばその両端の電圧は2倍に増えます。しかしダイオードは0.6~0.7Vのままで変化は僅かです。

つまり、Aラインの電流の変化の影響を受けずにBラインの定電流化ができるのです。

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