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2013年2月25日 (月)

アレキサンダー型電流帰還アンプ

Cfb_amp1

こちらが一般的な電流帰還アンプのブロック図(概念図)です。 

この図をいきなり見せられても分からないと思いますので、順を追って説明していきましょう。

 

一般的な電流帰還アンプの構成ですが、このブロック図のように、信号の入力「+IN端子」にバッファがあり、その出力が「-IN端子」となっています。 バッファ出力が入力端子っておかしいなぁって思うのですが、そういうものだと思ってください。 

 

入力バッファで消費した電流が上部カレントミラーで「トランスインピーダンス段」へと伝わり電圧に変換されます。 ここが唯一の電圧増幅段となります。 位相補償もここで行ないます。

 

そして、その後は出力バッファ段へとつながりアンプ出力となるのです。 アンプ出力は、入力バッファの出力の負荷抵抗であるR1を、R2を介して強力にドライブします。 よって、入力バッファは、負荷抵抗をドライブする負荷はすくなく、アンプ出力部の強力なバッファによってブーストされているような状態になります。<

 

さてさて、ここでアレキサンダー型電流帰還アンプの登場です。

私のいい加減な説明はいらないという方は、こちら

アレキサンダー型電流帰還アンプ をご覧ください。 アナデバのアプリケーションノートです。

  
私が、このアンプを知るきっかけになったのは、会社の先輩がこの基板を持っていたからです。 どのように入手したかも聞いたのですが失念いたしました。

 

その後、この基板でアンプを完成させた先輩宅へ押しかけ、徹夜で色々話しながら音楽を聴いたのを懐かしく思います。  

 

 

 

Cfa_amp2

 

こちらがアレキサンダー氏が考案した実際の回路に近いブロック図です。 

 

特徴的なのは、通常の電圧帰還タイプのオペアンプICを入力段に使用している点です。ブロック図でいうと「A1」です。  下側の「A2」はDCサーボなのでとりあえず無視して考えてよいです。 
 
一般のオペアンプICは、耐圧が±15V程度ですので、上下にQ1、Q2のトランジスタでカスコード回路が組まれていて、過電圧がかからないようになっています。 パワーアンプの電源であるV+とV-は100Wクラスのアンプなので50V程度とみてよいでしょう。

 

さて、そのカスコードの上部はカレントミラー回路となっていて電流を折り返して励振段としています。

 

  ここで何かヘンだなと気がついた方は鋭いです。

 

そうです。 オペアンプの電源端子の電流をカレントミラーで折り返して増幅しているのです。

そんな方法で良いのでしょうか。 とも思います。 が、実は、オペアンプの出力に繋がっている負荷抵抗の値は非常に低く、オペアンプが消費する電流の殆どがその出力段の電流となりますので、カレントミラーへ伝わる電流はほぼ信号だけと考えて差し支えありません。 

また、オペアンプが駆動するには低すぎる負荷抵抗の抵抗値ですが、動作としてはパワーアンプ部からフィードバック抵抗を介してドライブされますので、オペアンプの出力不足で信号が歪んだりすることはありません。

この方式のもうひとつの目玉は、一般の電流帰還アンプの初段は増幅度1倍のバッファを使うのですが、その場合、入力からバッファ出力段までの信号がフィードバックループの外になっていて、入力バッファ段の歪が野放しになっている点に対し、アレキサンダー型電流帰還アンプは、入力バッファに差動オペアンプを用いることで、入力段を含む全ての回路にフィードバックが作用して歪を抑えることに成功しているという点です。

入力に一般オペアンプICを使うことで電流帰還アンプの利点であるスルーレートの高さが損なわれないか心配するかもしれませんが、このアンプのスルーレートが200V/usを達成していることを考えると、全くの杞憂であると言えるでしょう。

 

ちなみに、オペアンプとして電流帰還を採用した初の製品は、1985年、米コムリニア社のハイブリットICだったらしいです。 その後、各社からモノリシックの電流帰還オペアンプが発売されましたが、いずれもビデオアプリケーション、RFアプリケーション、高速計測向けで、オーディオ向けではありませんでした。

 

1980年代にオーディオ用パワーアンプとして、電流帰還を提案したアレキサンダー氏の優れたアイデアは、その10年後くらいにやっと世間に認識されたようです。
(世間に公表したのは特許出願後の1990年だったようです) 

 

 



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