アンプのレイアウトの重要さ
アンプ全体をみたときにレイアウトは、結構重要だということをご存知の方も多いと思います。
では、どういうレイアウトが優秀なのでしょうか?
色々意見があると思います。
私も、かつては真ん中にトランスが置いてあって、左右で対象になっているのがかっこいいと思っていました。
今、修理中のサンスイ907なのですが、こんなレイアウトです。 まったく左右対称ではありません。
トランスが向かって左側に置いてあって、アンプを持とうとすると、かなり左が重いです。
緑色の部分が電源部。 赤い部分はパワーアンプ部。 そして青い部分は入力セレクタとフォノアンプ部です。
よく見てみると、とても優秀な配置だと考えさせられます。
電源のリーケージフラックスの影響を受けたくないフォノアンプは、トランスと最大限の距離を保つように設計されている。
そして、MCトランスは、EIコアからみて斜めの方向に配置。 一番リーケージフラックスが少ない場所です。
写真では見えていませんが、パワーアンプのヒートシンクには珪素鋼板が貼られていて磁界を遮断するとともにヒートシンクの振動抑制もしています。 実際にヒートシンクを叩いても鳴りはごく僅か。
いつの頃からか、センタートランスレイアウトで左右対称にするアンプが王道を進むようになってしまいましたが、トロイダルトランスと言えどもそこから発生する磁界はゼロではありません。
センターに居座って周りの回路に影響を及ぼすのは、いかがなモノかと思う次第でございます。

これは、まだヒートシンクの厚み分はアンプ回路が離れています。 フォノアンプ部もおそらく右側のシールドケースの中。

こっちは、ちょっと・・・ トランスとパワーアンプの基板の隙間がもう2~3cm・・・
フォノアンプはフロント右側に見える銅ケースのがそうでしょうか。 ノーシールドで5~6cm。
途中からフォノアンプはおまけのような存在になったのかもしれません。 私もレコード持っていませんし、フォノアンプを設計したもことありません。
トランスの振動を抑え、重量バランスが良い。
見栄えがよい。
セパレーションが良い。
というのが多くの理由だと思います。 振動は、どちらかと言うと重量バランスが崩れていて足の近くに重量物があるほうが共振が少ないようにも思います。
トランス用に独立した足があるアンプもあったようですが、なかなか優れた考え方だと私は思います。
« BTLとは | トップページ | ヘッドホン用の出力トランス »
「電子回路」カテゴリの記事
- アキュフェーズ ANCC 歪打消し回路シミュレーション(2)(2024.09.25)
- アキュフェーズ ANCC 歪打消し回路シミュレーション(2024.09.23)
- トラ技10月号に載っていたONKYOの特許を調べてみました(2024.09.14)
- innocent Key さんがエミッタ抵抗レスバッファの検討をされていました。(2024.07.05)
- あのアンプの入力部について(2024.01.20)
コメント