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2013年1月14日 (月)

差動回路のカスコード バリエーション

これは差動回路にカスコード回路を追加した場合の回路図です。

定数などは適当ですが、このようにカスコード接続したトランジスタのベースを一定の電圧とすることで、入力のトランジスタのコレクタの電位を一定にしています。

Cascode1

 

利点としては、入力トランジスタのミラー効果を無効化して高域を伸ばすことができるのと、初段のコレクタ電位を下げることで、耐圧が低いトランジスタが使えるとか、JFETならリーク電流を低減できる、コレクタ損失(ドレイン損失)を小さくできるなどがあげられます。

 

とても似た構成として下記のカスコードブートストラップ回路というのもあります。

Cascode2

 

ご覧のように、カスコード回路のベース電位を入力TRのエミッタと同期させることで、入力トランジスタのVceを一定に保つことができるという回路になります。実は、Vceが一定となるとエミッタ接地回路の出力の歪が小さくなることが知られています。高級機では良く使われます。 ただし、この回路図でツェナーダイオードで書いたカスコード部のバイアス回路から発生するノイズはゼロではありません。 そのノイズ(電流)が差動回路の共通エミッタノードへと加算されていきますので、アンプ全体としてのS/Nは悪化する方向になります。

このようにメリットだけではなくデメリットもあるという事を知っておく必要があります。

その上で、カスコード回路を採用するか、カスコードブートストラップ回路を採用するかを決めなくてはなりません。

追記=================================

 
 カスコードブートストラップの方は、上の回路のままですと、カスコードのバイアス用 電流が電源電圧変動の影響を受けた分だけ下部の定電流部に流れてしまいます。 

 上部の抵抗を定電流(CRD)に、ツェナーを抵抗に置き換えることで改善されます。動作の説明にはバイアス部が定電圧に見える方が理解しやすいのでこのような回路図にしています。

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

こんにちは、たかじんさん。
50を過ぎてオーディオ機器の自作を始めた初心者です。
理解できないことも多いですがいつも楽しく読ませていただいて
勉強させていただいています。

ぺるけさんのHPAの音が気に入って2台作りました。
3台目のペルケ式HPAとしてぺるけ式HPA(バランス)の初段を
カスコード化したアンプを試作して各部電圧をチェックしたところです。
まともオシロも持っていないのでテスターと老いぼれた耳頼りですが
たかじんさんの記事を参考にさせていただいてこれからいろいろと
いじくって楽しんでみます。

たかじんさんのフルディスクリートHPAの次回配布では必ず手に入れてこちらも
音を聞いてみたいです。
記事を読んで今からワクワクしています。

これからもためになる記事を期待しています。

こんにちは TAKI さん

ぺるけ式をカスコード化とは、思いつきませんでした。 とても興味深い試みだと思います。
バランス出力も、ヘッドホンを改造して他と互換性がなくなってしまう以外、音質的にメリットが
多いのでなかなか良いのではないでしょうか。

カスコードの分、振幅電圧に余裕が少なくなると思いますので、15V版をベースにした方が設計が
らくになるかもしれませんね。

ダイヤモンドバッファの出力電圧をB電圧のセンターへと調整すれば良いので、テスターだけで調整は
可能と思います。 思いっきり発振しているとTRが熱くなりますので、指で触ってみて温度を確める
というのも測定のひとつの手段です。 

完成した折には、ぜひご感想をお聞かせください。

たかじんさま
早速のレス、ありがとうございます。

実は1か月位前からカスコード化の構想をしていましたが
なにぶんにも経験も知識もないため、本を読んで勉強していました。

ブートストラップもたかじんさんが記事で解説していらっしゃる二つの
回路のどちらが良いのか、利点、欠点が本を読んだだけでは
いまいちわからずに迷っていました。
(著名なアンプ製作者の方が否定されている回路が、定番の本では
代表例として記載されているのには驚きました)
ローノイズツエナーは秋葉原を散策していくつか見つけましたが
(定電圧用)抵抗+定電流回路も実験できるように回路を工夫して
あります。(ユニバーサル基板に組んでいます)

あまりにもピッタリのタイミングでたかじんさまがカスコード回路の
解説をしていらして嬉しくなってしまいました。

たかじんさんの記事を読んで学んだことを実験しながら
楽しんでみます。

カスコード用に2SC1688 ダイモンドバッファ前段に2SC2240 2SA970
終段に2SC5171 2SA1930 を使い、終段に44mA流していますが
終段のトランジスタはほんのわずか暖かい程度です(今は放熱板なしです)。

完成には今しばらくかかりそうですが音を聞いたらまた書き込みます。

これからもよろしくお願いします。

そういえば金田教授もカスコードは否定していたような気がします・・・

電源電圧が高い場合で、JFET初段の場合は、カスコードにするメリットがあります。 
カスコードに使うトランジスタはhfeが高く、ベース電流への供給が少なくするようにすると、差動回路の
共通エミッタ(ソース)への電流加算を少なく抑えることができるかと思います。

メーカ製の高級アンプには、必ずといって良いほどカスコード、カスコードブートストラップが採用されていましたので
メリットの方が上回っていると判断して間違いないと思います。

電源電圧が低いときには、これといってカスコードのメリットは少ないような気もしますが、ぺるけ式の場合は
ドレイン電圧が思いっきり振幅しますので、ミラー効果を無効化できるメリットが大きいと思います。
2SK170って超ローノイズですが、帰還容量(Crss)がバイポーラと比べてとても大きいのでミラー効果
で高域が落ちてしまいますからね。


終段の2SC5171 2SA1930 もすごく良い選択ですね。 私も使ってみたかったのですが、なかなか入手先が
見つからないのと、値段が高くて手が出せません。 
C4322/A1359あたりがどうかなっと目をつけているくらいです。  

44mAでほんわか暖かい程度というのは、おそらく発振はしていませんね。 
TO-220ならヒートシンクなしで55~60mAくらいまで流せるかもしれません。 TRの種類によっては
アイドリング電流で音がものすごく変わるものがありますから、試してみるのも良いかと思います。


こちらこそ、よろしくお願いします。

そういえば、ツェナーダイオードよりもLEDの方が発生するノイズが少ないといって、カスコードのバイアスなどに
LEDを使用することがあります。
LEDも色々な種類がありますが、残念ながら、どのLEDが音的に好ましいのかという情報までは
持ち合わせておりません。 

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