ソースフォロア回路(MOSFET)の計算式
本日は、MOSFETのソースフォロア回路です。
デバイス依存性が高いですが、簡単に計算できるようにまとめました。
Source Follower Drain Common
ドレイン接地(ソース・フォロア) | ||
入力インピーダンス Zin | Zi = 数M~数10MΩ |
とても高い |
出力インピーダンス Zo | R 1 Zo = ---------- ≒ ---- 1 + gm・R gm |
低い |
電圧利得 Av | RL Av = --------- Zo + RL |
ほぼ1 |
電流利得 Ai | Ai = ほぼ∞ | とても大 |
※ gm = sqrt (k * Id)
※ k = 2μn Cox (W/L) : デバイス依存の数値です。
順方向伝達アドミッタンスvs ドレイン電流カーブがデータシートに掲載されているときは、Idに対するgmを直読した方が正確です。
例えば 2SK1056 はデータシートから Id=3Aで gm=1.0なので
k=gm^2/Id = 1/3 = 0.33 となり、
Id = 50mA 時のgmは、
gm = sqrt (0.33 * 0.05) = 128mS となります。
gmがわかると出力インピーダンスも求まります。
(負荷抵抗Rが十分高いときは簡略式で計算できる)
Zo = 1/128m = 7.8Ω
とても簡単です。
バイポーラトランジスタと違って入力インピーダンスに左右されません。
近年のスイッチング電源用の大電流MOSFETは、もっと出力インピーダンスが低いですが、バイポーラの入力容量とは桁違いに大きなcissをどうドライブするかが問題になります。
前段からすると巨大なC負荷がぶら下がっているのと同じことになるからです。
大きめなゲート抵抗を入れてダンピングすると今度はそのRC回路により帯域が制限されます。このように「MOSFETはドライブが楽」というのは高域やパルス駆動に関してはウソです。
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