抵抗の値の決め方
既に抵抗値が書いてあるので、迷うことは少ないキット物や製作記事。
ただし、一から自分で設計しようと思うと、とつぜん重圧が押し寄せてくる。
例えば、この図のようにNJM4558を使用してゲイン1倍の反転アンプ回路を
つくるとしましょう。
ゲインが1倍というと、R1=R2というのは、教科書でも出てくる。
その値が1Ω:1Ωでも、1MΩ:1MΩでも結果は同じ。
では、どうやってこの値を決めていくのだろう。
ある程度、数をこなしてきた電子工作家なら、それまでの経験値などから
4.7k~47kΩあたりの抵抗値を選ぶと思う。 それで正解。
では、それが正解な理由を説明していきましょう。
4558クラスのオペアンプでは、電源はおそらく±12Vから±15Vを使う。
出力電流は10mA程度が最大です。それ以上流そうとすると歪が増えたり、
電流リミッターが効いたりします。 実用上は1mAくらいにおさえておくのが
一番おいしい使い方です。
電源電圧が±15あるとすると、振幅は最大で10Vrmsくらいは取れますから、
そのときに1mAだとすると、負荷抵抗は10kΩとなります。
上の回路図の場合、R2がそのまま負荷ともなりますので、10kΩ以下では
出力電流が1mAを超えてくるというのがわかります。
また、このオペアンプの前段や後段については明記していませんが、
同様に、入力抵抗も10kΩを下回ると、負荷が重くなってきて、歪み特性など
へ影響が出てくるというのを考慮しなければなりません。
そうすると、抵抗値は10kΩより少し高い値が欲しくなってきます。
では、どこまで高くできるのか、という話になってきます。
同様に、入力抵抗も10kΩを下回ると、負荷が重くなってきて、歪み特性など
へ影響が出てくるというのを考慮しなければなりません。
そうすると、抵抗値は10kΩより少し高い値が欲しくなってきます。
では、どこまで高くできるのか、という話になってきます。
今度は、抵抗から発する雑音や、外来ノイズの受けやすさから100kΩを
超えると、不利になってきます。 これはオーディオ回路に限った話ではありません。
計測器、アナログ制御回路でも、ノイズは少ないほうが良いというのは
誰もが思うところだと思います。
そういう観点から信号経路のインピーダンスは50k以下が望ましい。
可能であれば1kくらいまで下げたい。 (通常のオペアンプ回路では難しいが。)
計測器、アナログ制御回路でも、ノイズは少ないほうが良いというのは
誰もが思うところだと思います。
そういう観点から信号経路のインピーダンスは50k以下が望ましい。
可能であれば1kくらいまで下げたい。 (通常のオペアンプ回路では難しいが。)
先ほどの信号電圧のとの兼ね合いもあり、10Vrmsまで扱うのであれば
出力電流が1mAを超えない範囲となるので、22kΩあたりが最適値。
1Vや2V程度の一般的なオーディオレベルであれば10kΩくらいが最適値となります。
出力電流が1mAを超えない範囲となるので、22kΩあたりが最適値。
1Vや2V程度の一般的なオーディオレベルであれば10kΩくらいが最適値となります。
いかがでしょうか。
正解といっても、値はひとつではありません。
最終的なサジ加減は設計者にかかってきます。
実際に音を聴きながら、好みの音質が得られるように微調整するのもアリでしょう。
オペアンプ回路を例にしましたが、電子回路全般における値の決め方は、
正解といっても、値はひとつではありません。
最終的なサジ加減は設計者にかかってきます。
実際に音を聴きながら、好みの音質が得られるように微調整するのもアリでしょう。
オペアンプ回路を例にしましたが、電子回路全般における値の決め方は、
このように、ある範囲が存在することが多いのです。 その範囲の中では自由度がある
とも言えますし、その範囲から逸脱すると、諸特性に影響がでてきてしまうので、
限定的ともいえます。
とも言えますし、その範囲から逸脱すると、諸特性に影響がでてきてしまうので、
限定的ともいえます。
そのあたりがアナログ回路は難しいと言われる部分なのかもしれません。
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