ハム退治 と DCヘッドホンアンプの完成
その後、ハムノイズ対策をした結果、どうなったかといいますと。
当初 120uV あったハムノイズは激減し、ほぼ測定限界の5~6uVまでに落ちました。
これで、殆どのヘッドホンでハムは聴こえないと思います。
ホワイトノイズも思っていたより少ないですね 2SK30は。
ちなみにK30は、K170などの高gmなFETと違って入力容量cissが8.2pFと小さいという点も、NFBを多量にかけたときに不用意なポールの低下を招かず安定して動作するので良い部分です。
対策は、回路図の定数を見てもらうとして、最終的に効いたのはFETの選別を厳密に行なうことでした。
idssのバラつきは、ゲート-ソース間電圧のバラつきでもあり、マッチングしていないと、差動回路の動作にも影響があります。
HPA-12では、初段の定電流回路はそこそこの精度とかなりの定電流性能がありますので、差動動作はFETのマッチングにかかってくると言っても
過言ではありません。
手持ちの12個ほどあったK30から、なるべく揃ったペアをつくり実装しました。 もちろん熱結合もしておきます。
ということで、FET入力DCヘッドホンアンプは完成としましょう。
バイポーラトランジスタの抜けの良い明るい音が好きな私ですが、このアンプの描写能力の高さと音のぶ厚さには目を見張るものがあり、FETに浮気しようかと思わせるだけの実力があるように感じました。
« J-FETとバイポーラのゲインの差はいかほど | トップページ | 音質とスペック »
「ヘッドホンアンプ」カテゴリの記事
- 3.5mm 4極コネクタの怪(2020.09.02)
- ヘッドホンの鳴らしにくさ選手権(2020.08.16)
- 新ヘッドホンアンプHPA-1000用の電源基板について(2020.04.19)
- HPA-1000の歪率を計測(2020.04.12)
- HPA-1000の動作電流と感想(2020.04.09)
「電子回路」カテゴリの記事
- バランス入出力アンプの検証(2)(2023.03.27)
- バランス入出力アンプの検証(2023.03.25)
- 2023年 生産中のコンプリメンタリで使用可能なパワーMOSFETとドライバ段(2023.03.03)
- バランス入出力のアンプ部を実験してみることに(2023.02.24)
- MUSES03を久しぶりに検索してみたらニセモノが沢山(2023.01.21)
たかじんさん、こんにちは.ヘッドホンアンプ基板にかかる数々の話題提供ありがとうございます!こちらのほうはボチボチ実装パーツの収集にとりかかってます.C1805とA1015は選別品のローノイズを確保.トランスはトヨデンの店頭在庫になかったので、発注し会社帰りに引き取ってきました.年末年始の製作テーマになりそうです.
それと記事にあるように確かに初段は悩みますね~.それがまた楽しい!
投稿: analogdevice | 2012年12月19日 (水) 15時09分
analogdevice さん こんばんは。
ついに取りかかりますか。
C1815、A1015のローノイズ品は、私は使ったことがありませんが、東芝も製造中止の
波にのまれてしまって残念です。 ノイズ選別を始めたときは、まだ製造をつづける
予定だったのでしょうね。 きっと。
初段に使うトランジスタで、アンプの性格がかなり変わるのは確かで、
どのトランジスタが、どういう音がなるのかというのは、実際に自分で聴いてみる
まで分からない。 という楽しみがありますね。
私が、あれこれ種類を楽しんでしまうと、作る人のワクワク感がなくなってしまうので
ほどほどにしておきます。
低gmのFETのハム問題は、一応解決しましたので参考になれば幸いです。
投稿: たかじん | 2012年12月19日 (水) 22時13分