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2012年11月21日 (水)

初段負荷に繋がっているダイオードについて

ヘッドホンアンプの回路図で突如出現したこのダイオードですが、何も説明がないままでしたので、ここで説明したいと思います。

まず、結論からいいますとこのダイオードは付けない方が音が良いです。
 
D6
 

インピーダンスが300Ωや600Ωと高く、能率の低いヘッドホンを大音量で鳴らそうとすると、アンプの出力が電源電圧近くまで到達し、波形がクリップ(頭打ち)します。

クリップ電圧まで到達すると、初段の差動回路は片側へ電流が集中してしまうの

ですが、多量NFBの影響から、入力電圧が下がってもすぐには復帰できません。 初段の負荷間をダイオードでつなぐと、0.6V以上の差が発生した場合に、電流が反対側へも流れて片側集中をさせないリミッターのような働きをします。
 

本来は、両方向へ入れるのですが、今回のアンプの構成上、かなり早めに+側からクリップするので、その方向だけダイオードを入れるようにしました。
普段の信号増幅時は、初段のコレクタ電圧は左右でほぼ一定で、ごく僅かにしか振幅はありませんからこのダイオードは何も邪魔をしないハズです。
 

 

実際に、実験してその効果も確かめたのですが、上に書いたようにダイオードを入れると音質的に好ましくなかったので、使っていません。 具体的には、ダイオードを入れると、音に雑味が増して透明度が若干悪くなります。

感度が恐ろしく悪いヘッドホン以外で、普通の音量で聴く分には、クリップすることはまずないと思いますので、ダイオードを入れない方をお薦めします。 

低能率ヘッドホンをガンガンに鳴らして使う場合などは、入れた方が良いと思います。
そのときは、いくつかの種類のダイオードを試して音の劣化が少ないものを選ぶ方がよいでしょう。 

1N4148もエージングで少しは落ち着きますので、最初からダイオード有りの音しか聞いていないのであれば、あまり気にするほどではないかもしれません。

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コメント

たかじんさん、こんにちは
また少し気になったので、質問させていただきます。この前はありがとうごさいました。
この場合、抵抗に流れる電流が0.2mA以上変化したらダイオードがONってことで良いでしょうか?
素人考えだとこの前のスルーレートの解説にあったTIM歪と同じように感じました。トランジスタのgmはそこそこある気がするので、スルーレートが足りなくなったら即効でダイオードがONしそうな気がします。

エリーさん こんばんは。

ご想像の通りです。 初段の電流の差が負荷抵抗1.5kΩなら片側0.2mA以上でこのダイオードがONし、スルーレートは制限されます。 また、ダイオードがONしていないときでもPN接合部には静電容量が
ありまして、そちらの影響もかなりあると考えています。 
結果として、雑味のある音になってしまったのではないでしょうか。

ただし差動の電流の差が0.2mAになるのは、相当な速さのパルスが必要です。 

とはいいつつ、クリップ時の早期回復を狙ったのですが、結局、それ以外での弊害が大きく使えなかった
と言わざるを得ません。
メーカー製のアンプでも、たまーにこのダイオードが入っているのを見かけます。 どのアンプに
使われていたという所までは覚えていませんが、市販するとアンプは色んな使われ方をするので、
クリップ時にも安定して動作することは必須となります。 音への影響の少ないダイオードが
あるのかもしれません。

今回は、ミニパワーアンプ化もちょっと考えていたので、念のため基板にパターンを入れてみました。

スルーレートはヘッドホンアンプである限り、1.0V/us程度で問題ないので、音質への影響が
少ないダイオードさえ見つかれば、安心してクリップさせられるアンプに仕上げることができると思います。


----------------------------
ちょっと計算してみましょう。

0.2mA X 1us / 50pF = 4 V/us    という数値です。 

これ以上のスルーレートはダイオードで制限を受けます。 

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