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2012年11月24日 (土)

ラウドネス

Lod

随分むかしですが、一部のアンプにラウドネススイッチというものがありました。
これは、今で言うとLOWブーストなのですが、一応ラウドネス効果を狙ったものでした。
 
ラウドネス効果とは、大きな音とと小さい音とでは、人が感じるF特が違うという特性があるというものです。 「ラウドネス効果」で検索すると、その特性カーブがすぐにヒットします。
 
人は2~3kHzの音には敏感で、それよりも高いほうも低いほうも感度が鈍るというカーブで、音量が小さければ小さいほど その傾向が顕著にでてくるってやつです。

そこで、ラウドネススイッチをONにすると、まあ、高音は補正しないのですが、低音側をブーストして、量感を増すことができる機能でした。

実現している回路は、とても単純です。 
ボリュームにちょっとした仕掛けがあって、上の写真のような4端子のボリュームが必要ですが、全てパッシブ素子でLow-Boostを実現していましたので、音質劣化が少ないという特徴もあります。
 

Vr2
 
これはアルプスのRK40というボリューム、通称デテントと呼ばれている可変抵抗の中身です。 google検索で拾ってきました。
 
RK40は、アルプスが色んな顧客向けにいくつかの種類を提供していたので、この中点(4端子め)の引き出しポイントは色々あるようです。 この写真のものは2箇所から引き出せる構造で、最後に1つだけを選択しています。

 
さて、回路は、このようになっています。
 
Vr1
 

4端子目にRとCを直列に接続するだけです。
こうすることで、中点より低い位置ではLow-Boostが効き、それ以上高い位置では徐々にLow-Boostが弱まります。
 
小さい音で聴く時だけ低音が増強されてラウドネス効果を補正できる機能となります。
中点をどの位置にするのかというのは、上で書いたように、ボリュームの仕様次第、オーディオメーカーが可変抵抗製造会社にどう設定してもらうか次第です。
 
低いところに中点を持ってくると、小さい音量のときだけブーストされるようになりますし、真ん中くらいを中点にすると、かなり大きな音量までブーストされます。
またブースト量とその周波数は、回路図でいうとR1とC1の値で決めることができます。
 

残念ながら、現在、この中点つきのボリュームを入手することは非常に困難です。
アルプスのRK27(ミニデテント)は現在も製造中のようですが、4端子目の場所は確保されているものの、端子が出ているのもを見たことはありません。

念のため、手持ちのRK27を分解してみましたが、内部の抵抗体から中点は出ていませんでした。
 
唯一、ソフトンが22接点アッテネータで4端子目をアサインしていますが、抵抗値が100kΩと高すぎるのがネックです。 10kΩか20kΩがあると便利なのですが・・・

 
 
検索していて、面白いのがヒットしました。 スタジオユースなどの超高品質アッテネータで有名なあの東京高音が、自作アッテネータを発売したようです。 (2012-10 発売)

抵抗値が10kΩと100kΩの2種類。 

東京高音電波webサイトをご覧下さい。   ちょっとヤバイです。 36R-KIT欲しい。 
 
 

※追記。  IN端子から、中点へCR直列回路を入れると高域BOOSTも可能です。
  ラジカセでは、結構ハデにLowもHighもブーストしていたようです。

 

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コメント

36R-KIT、今作っている(途中で止まってますが・・・)LM3886に組み込むべく入手済みです。
>zigsowにエントリあります。

CR-Xさん

36R-KIT いいですね。 価格が高くて挫折しました。 
2dBから3dB刻みくらいでしょうか。 ヘッドホンアンプとしては粗すぎる
けど、SPを鳴らすのであれば、問題ないですよね。

音質は、最高ランクが保証されているような代物ですね。

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