コンデンサの歪み
信号を直接通す部分でDC成分をカットしたいとき、どうしてもコンデンサを使うことになります。
フィルム系コンデンサは歪が少なく、セラミックコンデンサは歪が多いと言われていますが、実際はどうなのでしょうか。
その原因に迫ってみましょう。
セラミックコンデンサと一口に言っても、いくつかの種類があります。
ここではカップリングに使えるほどに大きな容量を作り出せる「高誘電率」のセラミックコンデンサを取り上げます。
TDKの紹介では、高誘電率のセラミックコンデンサでは上の図のように温度特性に気をつけなければならない旨が説明されています。
しかし、オーディオ的に見ると、もっとマズイ点があります。
こちらは、太陽誘電の10uF/25VのセラミックコンデンサのDC-容量変化のグラフです。 ちょっと極端な例なのですが、高誘電率のセラミックコンデンサは、基本的にこのようにDCバイアスに対しての容量変化が大きいのです。
つまり、音楽信号を通すと、その振幅電圧で容量が変化し、ひずみを発生させてしまいます。 オーディオ信号は、ボリュームの前だと2Vrms、ピークでは2.8Vほどありますから、これは全く無視できない容量変化であることがわかります。
はっきり言って、こういうコンデンサはオーディオには使ってはいけません。
それなのに携帯音楽プレーヤのヘッドホン出力のDCカットに、セラミックコンデンサが使われているのを見かけます。 やめて欲しいものです。 せめて電解コンデンサに・・・
iPod touchには ・・・ タンタル? セラミック?
« コンデンサの直列接続 | トップページ | ヘッドホンアンプ基板でスピーカをならす »
「電子回路」カテゴリの記事
- 差動回路の出力合成(3)(2026.02.08)
- 差動回路の出力合成(2)(2026.02.07)
- 差動回路の出力合成(1)(2026.02.01)
- MUSES8820、MUSES8920、MUSES8920A 決定戦(2025.11.24)




こんにちは、お役立ちのブログをありがとうございます。
セラミックコンデンサをオーディオ回路に使わないと云うのは50年以上前に私がソニーに新入社員で入社してHiFiテープデッキの設計を始めた頃からの常識でした。
3年程設計開発で何機種も製品化した後に、デジタルオーディオプロセッサーを開発して、当時はTTLでもクロック周波数が10MHz程度だったので、メモリー制御パルス作成にOneShot Multiを使わざるを得なかったのですが、そのコンデンサにセラミックを使った為に、パルス幅がせまく成り過ぎて誤動作の不良が発生しました。 これも、5Vの電圧が掛かって容量喪失した為の様です。メーカーもその弱点を公表して販売すべきですよね。
そう云えば、フィルムコンデンサでもマイラーフィルム(ポリエステルフィルム)は圧電作用が有るので、信号回路には使わないと云われていましたが、それを知らない設計者や巷ではフィルムなら何でもいいと使われている様ですが、本当のところはどうなんでしょうね。
自分は、自作のチャンデバのアクティブフィルターなどには富士通製のポリスチロールコンデンサを使いましたが、今は無いので、PPフィルムコンデンサーを使っています。
マイラーコンデンサは悪者なんでしょうか?
投稿: N.Yasuda | 2025年9月29日 (月) 20時48分
N.Yasudaさん
ソニーさんで開発されていらっしゃったのですか。 デジタルオーディオプロセッサーというとTA-E1000ESDというモデルは買ったことありました。
フィルムコンデンサも色々種類がありますね。
https://www.tdk.com/ja/tech-mag/electronics_primer/7
ここに分かりやすい説明がありました。
現在はPP、PPSが高級オーディオでも良く使われていると思います。
マイラーもパワーアンプ出力端のZobelフィルタでは時々使いますが、これが影響して音が悪くなっている印象はありません。
アクティブフィルタやイコライザなど小信号系で使うと影響があるのかもしれませんね。
投稿: たかじん | 2025年9月29日 (月) 23時29分