コンデンサの歪み
信号を直接通す部分でDC成分をカットしたいとき、どうしてもコンデンサを使うことになります。
フィルム系コンデンサは歪が少なく、セラミックコンデンサは歪が多いと言われていますが、実際はどうなのでしょうか。
その原因に迫ってみましょう。
セラミックコンデンサと一口に言っても、いくつかの種類があります。
ここではカップリングに使えるほどに大きな容量を作り出せる「高誘電率」のセラミックコンデンサを取り上げます。
TDKの紹介では、高誘電率のセラミックコンデンサでは上の図のように温度特性に気をつけなければならない旨が説明されています。
しかし、オーディオ的に見ると、もっとマズイ点があります。
こちらは、太陽誘電の10uF/25VのセラミックコンデンサのDC-容量変化のグラフです。 ちょっと極端な例なのですが、高誘電率のセラミックコンデンサは、基本的にこのようにDCバイアスに対しての容量変化が大きいのです。
つまり、音楽信号を通すと、その振幅電圧で容量が変化し、ひずみを発生させてしまいます。 オーディオ信号は、ボリュームの前だと2Vrms、ピークでは2.8Vほどありますから、これは全く無視できない容量変化であることがわかります。
はっきり言って、こういうコンデンサはオーディオには使ってはいけません。
それなのに携帯音楽プレーヤのヘッドホン出力のDCカットに、セラミックコンデンサが使われているのを見かけます。 やめて欲しいものです。 せめて電解コンデンサに・・・
iPod touchには ・・・ タンタル? セラミック?
« コンデンサの直列接続 | トップページ | ヘッドホンアンプ基板でスピーカをならす »
「電子回路」カテゴリの記事
- アキュフェーズ ANCC 歪打消し回路シミュレーション(2)(2024.09.25)
- アキュフェーズ ANCC 歪打消し回路シミュレーション(2024.09.23)
- トラ技10月号に載っていたONKYOの特許を調べてみました(2024.09.14)
- innocent Key さんがエミッタ抵抗レスバッファの検討をされていました。(2024.07.05)
- あのアンプの入力部について(2024.01.20)
コメント