ヘッドホンの音圧感度と必要な出力電圧
一般に1kHzの信号1mWでどのくらいの音圧レベルが得られるのかというのを音圧感度(能率)として表しています。 厳密な規定がなく、メーカによっては1Vrmsの音圧レベルを表記している場合もあるとか、そういう情報もありました。
基準として 下記のヘッドホンを2mWくらいで鳴らすのが私的な実用範囲(最大音量)でした。
ソニー MDR-XB40EX 105dB 16Ω 2mW で 108dBの音圧 -> 出力電圧は0.17Vrms
有名どころのヘッドホンの感度・インピーダンスから108dBの音圧を得るのに
必要な電圧を計算すると
ソニー MDR-CD900ST 106dB 63Ω -> 0.32V
ソニー MDR-CD3000 104dB 32Ω -> 0.28V
テクニカ ATH-A900 101dB 40Ω -> 0.44V
DENON AH-D1100 101dB 32Ω -> 0.40V
AKG K701 105dB 62Ω -> 0.35V
AKG K240monitor 88dB 600Ω -> 7.7V
GRADO SR-325i 98dB 32Ω -> 0.57V
SENNHEISER HD650 103dB 300Ω -> 0.97V
SENNHEISER HD598 112dB 50Ω -> 0.14V
SHURE E4c 109dB 29Ω -> 0.15V
SHURE SE215 107dB 20Ω -> 0.16V
AKG K240monitorだけは、ちょっとオカシイですね。 インピーダンスも高いのに感度が異常に悪い。 ターゲットの108dBの音圧を得るのに7.7Vはないでしょう・・・
後続機種のK240 studioは55Ω感度91dBとだいぶ改善されています。
また感度が低いSR-325iやImp.300ΩのHD650あたりでも、ボリュームは12時から1時方向くらいまで上げる必要がありそうです。
音圧感度キングはSENNHEISER HD598ですね。 ここまで感度が高いとアンプの残留ノイズもよく聞こえてしまいそうで、怖い存在です。 そういう場合はTEACのHA-501のように出力へ抵抗を挿入することで意図的に感度を落として対処することが可能です。
DFセレクタが違う意味で役に立ちそうです。
カナル型は、みな感度が高い傾向があるのが見えてきました。
まあ、これは公表スペックと計算上の話ですから、実際に聴いた感じの音量・音圧とは相違がある可能性は否めません。
※)感度・インピーダンスから目標の音圧を得るのに必要な電圧の計算式
1mW時電圧 = √(Imp. / 1000) [Vrms]
必要なパワー = 10^((目標音圧 - 音圧感度)/10) [mW] :3dBで2倍の音圧
必要電圧 = √(必要なパワー x Imp. / 1000) [Vrms]
※当初、計算方法が間違っていました。
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AKG K701の出力感度が105dB/mWとなっていますが、これは93dB/mWの間違いではありませんか。確か、Q701とK701は出力感度とインピーダンスは同じはずです。
だとすると、必要電圧の値も変わって来る?
投稿: 三毛にゃんジェロ | 2021年6月27日 (日) 01時08分
三毛にゃんジェロさん
当時、どこから情報を拾ったのか覚えていませんが、間違っているようですね。
投稿: たかじん | 2021年6月27日 (日) 08時24分