コンデンサの直列接続
コンデンサを直列に接続することがあります。
ひとつは、耐圧を稼ぐとき
もうひとつは、有極性コンデンサのノンポーラ接続
コンデンサを並列に接続するときは、特に問題が起こることは少ないですが、
直列接続は、若干注意が必要です。
コンデンサを直列に接続すると、容量は半分になることは、高校の物理で習うとおりです。
耐圧を稼ぎたいときの直列接続は、その中点の電位がどうなるか想像できますでしょうか。
実はちょうど半分の電位とはなりません。 というのも、絶縁は絶対ではなく、微小なリーク電流が存在するからです。 そして、そのリーク量にはバラつきがあり、また経年劣化で増えていく物もあります。
そのため、コンデンサを直列にして耐圧を拡大するときは、高抵抗を並列に入れて、中点の電圧を制御してあげなければなりません。 少なくともコンデンサのリーク電流より多い電流を並列接続した高抵抗へ流すように設定します。
可能であれば最初から高耐圧のコンデンサを使うのが得策です。
ノンポーラ接続は、もとの耐圧より小さめの印加電圧(一説には半分程度まで)で使うのがポイントです。
電解コンデンサは、逆接続されると大きな電流が流れます。 本来、アルミ電解の電極箔は+も-もアルミであるため、どちらにでも電流が流れます。 そこで-極のみ化成処理を行なって耐圧を稼ぐようにしているとのこと。
ところが、逆接続されるとその-極の化成処理が電気分解され、電流が流れだします。 また、その電気分解で発生するガスで内圧があがり、防爆弁を動作させるに至るのです。
つい先日、私もやらかしたアレです。
ノンポーラ接続すると、片方のコンデンサは逆接続となりますが、もう一方のコンデンサは正接続ですので、そこでリーク電流は抑えられます。 リーク電流が抑えられているので電圧はその正接続されたコンデンサへかかり、逆接続側のコンデンサには電圧があまりかからないのです。 元々、電解コンデンサは逆側でも1V程度の耐圧があるとさるので問題ない。 という仕組みです。
※)電解コンデンサの逆接続時は、もう少し複雑な現象が内部で起きていますが、要約してあります。 また、逆電圧があまり大きくないとき、爆発しない程度のリーク電流しか流れず、そのうちリーク電流が減少して、(寿命は短いが)普通に使えてしまうことがあるらしいです。
※)電解コンデンサと同じく有極性のタンタルコンデンサというのがありますが、そいつは逆耐圧にめっぽう弱く、しかもショートモードで壊れる。燃える。火を吹く。 という特徴がありますので、ノンポーラ接続はしてはいけません。 そもそもオーディオ用で使うことは殆どありません。
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