A電源 B電源 C電源
ついつい、先日の記事でもC電源とか書いてしまっていましたが、何も説明無しでは分かりませんよね。 私も、昔、±B電源とか言われても全然なんのことを言われているのか分からなかったことを思い出しました。
この話は、とても昔まで遡らないとならなりません。 真空管黎明期に直流電源の低電圧電源をA電源、高電圧源をB電源と大別し始めたのが始まりらしいです。 そしてカソードに対しグリッドをバイアスするマイナス電源をA・B電源にならってC電源と呼ぶようになりました。
低電圧のAはヒータ電源として使われ、高電圧のBは主にプレート用の電源に使われました。初期のヒータは直流だったのですが、のちにヒータは改良されて交流で点火できるようになって直流A電源は要らなくなりました。 回路図上でB電源だけしかないアンプが多いのはそのためです。
このような呼び方がアンプの電源としての一般的な呼び名になったため、増幅素子が半導体になった後もそのまま使い続けられました。
回路構成が途中で±で等しい電源が使われるようになってから、真空管ではなかった-B電源というのが登場します。 明確な情報が見当たりませんが、バイアス用のC電源とは明らかに使用方法が異なるため、このようにB電源をマイナス表記にしたと思われます。
ぺるけさんのHPAのマイナス電源は、-B電源と呼ぶより、C電源と呼ぶほうが相応しく思いましたのでそのような呼び方をしてしまいました。
ぺるけさん自身もプラス側を「B電源」、マイナス側は「C-電源」と書いているようです。
検索してみると-B電源と呼んでいる人は少ないようですね・・・ なぜだろう。
私も気がついたらHPA-12では+V、-Vと表記していました・・・ どうしてだろう。
※)HPA-12の回路図中の+VA、-VAはA電源を意識したものではなく、単純に回路ノードを分けたかっただけです。 リレーの電流をリップルフィルタの手前から引っぱりたかったのです。
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昔は、電源は電池しかなかったんですよ。
商用電源が安定に使えるようになったのはずっと後。
また増幅回路もトランスと真空管だけ。抵抗もコンデンサもありません。
あと半導体になってからの電源の呼称は、Vcc Vee Vdd Vss そして Vbias
投稿: | 2016年5月18日 (水) 09時31分
ご教授いただき、ありがとうございます。
商用電源が普及した時期とラジオ放送が始まった時期など、調べるきっかけになりました。
1925年 ラジオ放送が始まったとき、電源がいらない鉱石ラジオがほとんどであったとwikiには書いてありますね。商用電源は1920年ころには東京では普及していたようですが、それをラジオ受信機にはつかっていなかったということでしょうか。
おっしゃるとおりオペアンプなどの半導体(集積回路)ではVcc,Vddなどの名称ですね。 電圧的には±15V程度まででしょうか。 パワーアンプに使われるような±50VなどをVccと呼んでいるのはあまり見たことがありません。 これをB電源と呼ぶのは私の周りだけなのか、一般的なのかはなんとも分りません。
投稿: たかじん | 2016年5月20日 (金) 21時39分