ヘッドホン VS スピーカ VS カーステ
昔、テレビでカーステレオの開発現場と新製品の紹介をしていました。 番組名もいつ頃の話だったかもハッキリとは憶えていませんが、1990年代の後半だったと思います。
そこにチーフエンジニアの方が出演していまして、カーステレオはホームよりずっと良い条件で音を聴けるからカーステの方が良いんだ。 と豪語していたのをおぼろげながら憶えています。
そんなことはない。それはおかしいだろ。と、会社の先輩に話をしたら、その先輩も、いやいや、カーステは良いよ。 閉じた空間の中で音を聴けるから。 と。。。
私の持論は、車は走るものだから、走行中はロードノイズがあって実際のs/nはひどいし、停車してエンジン切って駐車場で音楽を聴くというのもなんだか恥ずかしい。 そもそも左右のスピーカーのセンターに自分が居ることすらできない。
閉じた空間内の反射音が多すぎる。 スピーカの位置もウーハは足元、ツイータはダッシュボードという音のつながり(位相のつながり)もあったものではない。
空間表現、奥行き感、音像定位というのでしょうか、そのあたりはホームスピーカには
ぜったいに適わない。 まぁ、そんな風に思っていまして、カーステにはお金をかけていません。
ご自宅でスピーカでガンガン音を鳴らせるひとは、確実にその方が良いと思います。 特にフルレンジや小型2wayクラスでの空間表現に関して勝るものはないんじゃないでしょうか。
ただ、いろいろ環境的な問題で、思ったときに思った音量でスピーカを鳴らすことができないのが現代の社会と思います。 割と遮音性の優れたマンションや、田舎の戸建てで、且つ家族の了解が得られれば良いのですがなかなかそういう立場にある人は少なくなっているように思います。
昔のオーディオ雑誌なんかでは、ご自宅のオーディオルーム紹介なんて記事があったりもしましたが、私の知り合いでそんなすばらしい環境にある人は誰もいません。
そこで登場するのがヘッドホンです。
密閉型やカナル型のヘッドホンですと音漏れも少なく、隣人に迷惑をかけません。
それより何より、音楽にどっぷり浸れるというのがメリットです。 常に左右のセンターに居られますし、スピーカでも再生が難しい極低音を聴く事ができるのは他にはない部分でもあります。
それと、スピーカとは比較にならないくらい種類が豊富で、お値段も手頃なものが多いです。 4~5千円でもわりと良い音が聴けますし、1万円ちょっとだすと相当な音質のものが手に入ります。 3万円では高級機です。 スピーカで2ch分3万円だと、良くはできているけどやっぱり物足りない
という製品しか手に入れられません。(中古は除く)
ヘッドホンは、メーカや製品によって結構違う音が出ますので、購入前に一度は試聴することをお薦めします。 この音質の違いは、ヘッドホンアンプをどうしようとも乗り越えることができません。
やっぱり最終兵器はヘッドホンですね。
※)ヘッドホンの音が一番良いという意味ではありません。
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