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2012年10月17日 (水)

オーディオ用リレー

オーディオ機器ではリレーをよく使います。 特に高級機では入力信号の切り替えにも使われたりすることが多々あります。

ところで、このリレーは何でも良いのかというと、そうではありません。 

 

古いアンプの出力リレーが接点不良になるケースが非常に多いことは、年代の方々は体感的にわかっていると思いますが、その後バブルがはじけたくらいからのアンプは、以前ほどリレー不良がでていないということにお気づきでしょうか。

Relay01 

 

先輩に聞くとスピーカリレーは、リレーメーカに特殊仕様として作ってもらっていると。 

一般品と何がちがっているのかというと、接点が両金張りになっているんだとか。 そういう特殊仕様になっていないリレーを使っていた時代があり、出荷から数年ほどで多量の接点不良がおきていて社内的にも問題になったそうです。

そうして、社内ルールでスピーカリレーには両金張り指定のリレーしか使ってはいけなくなったそうです。

実はリレーの接点には自己クリーニング機能が備わっています。 ある程度の電力の開閉を行なうときにはスパークが飛び散り、それで自己クリーニングされるのです。

ところが、オーディオで使うときには、殆ど電力がかかっていない状態で開閉するため、この自己クリーニングが効果を発揮しません。

 

自己クリーニングとは、接点の表面にできた酸化膜を火花で飛ばす作用のことで、大電流リレーでは、かならずある機能です。 ですから、少信号を切り替えるのに大電力リレーをつかってはいけません。 大は少を兼ねていないのです。 

逆に少信号用のリレーは、酸化膜ができないような素材を使用し、さらにリレーケース自体をN2密封して酸化しないような構造としています。 この手の小信号リレーは派手にスパークを飛ばすような使い方をすると接点を傷めてしまいます。

 

ところで、スピーカリレーは大電流も流しつつ、開閉時にスパークも飛ばないというリレー界では異端的な使用方法のため、当時、特殊仕様として接点に金を使うように指定していたようです。 現在は、そういう仕様のものがラインナップされています。

 

※)かなりの荒療治ですが、スピーカリレーを自己クリーニングさせる方法があります。  それは、スピーカ出力にダミー抵抗(4.7~10Ω程度)を接続し、ある程度の出力が出るくらいの音量へセットして、電源のON/OFFを何度か繰り返すのです。
少なくとも電圧が10V以上無いとスパークしません。

そうすることで、リレー接点でスパークが飛び、自己クリーニングできます。
ただし、この方法、ちゃんとした過電流保護がついているアンプでのみ可能な方法です。 過電流保護があると、パワトラを飛ばさずに安全にスパークを飛ばすことができます。

 

 

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

このページを読んで、自分がいかに馬鹿なことをしていたのかが、よくわかりました。

以前に、Pure Audio システムと AVシステムとのスピーカーを共用しようとして、パワーリレー(OMRON LY2Z)で切り替えるように自作したのですが、おおむね2年程度で、音が出なくなってしまっていました。

今使っているアンプにも、LY2Z(銀接点)のがあります。
いずれ駄目になると考えて、交換します。

ですね。 リレーは消耗品という考えのほうが良いのかもしれません。 金張りタイプは一般には入手困難です。

たかじんさん、みなさん

秋月電子の発注のときに、オーディオ用パワーリレーというのをみつけました。
https://akizukidenshi.com/catalog/goods/search.aspx?search=x&keyword=%83I%81%5B%83f%83B%83I%81@%83%8A%83%8C%81%5B&image=%8C%9F%8D%F5

このページにかかれた要件を満たしたリレーと考えてよいのでしょうか?
データシートには、接点は Au + Ag alloy と書かれていました。

よろしくお願いします。


n'Guin さん

これは良さそうですね。両方とも金が理想ですがそれなりに考えられている物だと思います。5年くらい持てばいいですね。

たかじんさん

5年ですか。  短いですね。
でも、使ってみようと思います。

ご解答ありがとうございました。

n'Guinさん

環境によりますが市販品でも5年くらいが問題なく使える範囲と考えた方が良いです。 湿気が少ない部屋で、定期的に使っていれば10年持つ場合もある。という感じではないでしょうか。

たかじんさん

ご教示ありがとうございます。

自作品なら、自分で交換できるし、その意味では最良の状態を維持できると考えればいいなと思いました。

感謝です。

n'Guinさん

そうそう、そこが自作の強みですよね。
お気楽オーディオさんのところで、機械リレーをMOS-FETリレーに付替えられるキットがあったような気がします。

たかじんさん

>お気楽オーディオさんのところで、機械リレーをMOS-FETリレーに付替えられるキットがあったような気がします。
はい。 その通りです。

スピーカーの安全保護なら、お気楽さんので間に合うのですが、スピーカー切り換えに用いる場合は、高域で漏れが生じるので・・・。

n'Guinさん

なるほど。確かにMOSFETでの切断は高域が漏れるのでスピーカー切換には使えませんね。失礼いたしました。

スピーカーリレーの「荒療治」効果てきめんでした・・ありがとうございます、分解せずにすみました。
アンプはSANSUI α907L EXTRA(1989)でスピーカーAにリレーの接触不良と思われる症状がありました。ある程度音量を上げないと最初に音が出ないというものです。今は最初から極小さな音でも鳴ってくれてます。
使用した抵抗は7.5Ω10Wのセメントタイプを使用。ボリュウムをフルから1/3程度(通常1/8程度で使用)にしてスピーカースイッチを操作しました。音源はCDで出来るだけ低音が効いたものを選びました。瞬間的にONにすることを2分程度繰り返しましたが抵抗は触れないくらい熱くなってました。アンプのほうはONの時にかすかにうなり声がする程度で発熱はあまり無かったです。
この作業は、プロテクターの無いアンプでも操作の加減が良く分かっていたら可能かと思いますが、限度を超えてしまうと取り返しが付かないですね。

つよしさん

接点が復活したようで良かったです。 そういえば回数などかいていませんでしたね。

スパークを飛ばすのは、少し大き目な音量(例えばボリューム10時方向など)で10回くらいで様子をみて、改善されているけどまだもう一息というときは更に10回飛ばす。 程度で良いと思います。

20回ON/OFFしても全く良くなっていないようだったら、もう少しボリュームを上げてみるとか諦めてリレーを交換するという感かな~ アンプ回路を壊すと修理するのが大変ですからね。

α907L EXTRA いいですね。 あの頃のサンスイのアンプは本当にお金がかかっていたと思います。 その中でも907は特別な存在ですね。 長くつかってもらってサンスイの人も喜んでいると思います。

たかじんさん
コメントありがとうございます。そうです、まさに10時の方向です。だいぶ控え目に試した感じですが1回目で効果がありました。この907は古いアンプですが、静かでとても安定感があり気に入っております。

つよしさん

このくらいの音量ならば大丈夫だろうという野生の勘(?)ですかね。さすがです。

友人のAU-D907X Decade を修理したとき、しばらくの間じっくり聴いたのですが、本当に素晴らしい音楽を奏でるアンプだなって思いました。 学生のころ買った607とは格が違いました。

たかじんさん
たびたびすみません、スピーカーリレー荒療治の件です。あれから今日で1ヶ月が経ちます。不安な挙動は一度も無くとても安定しています。最初は再び症状が出たらまたすれば良いかと考えていましたが、とても安定しています。感謝!

つよし さん

ちょうど良い感じでスパークを飛ばせたのだと思います。 よかったです。
ただ、アンプの年代的にも、同等のリレーが入手できるうちに修理用パーツとして手に入れておいた方が安心感があるかもしれません。 907X Decade はバラすのが大変な構造だったので、ご自身での交換はあまりおススメは出来ませんけども。

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