電源の見直し2
いつのころからか、当初のとてつもなくストレスフリーな音が薄れていたような気がしていました。
初段の電流値を振ってみてもあの音に戻らないことから、やっぱり電源が怪しいと考えまじめました。 そう、TR式リップルフィルタです。 試してバイパスしてみると、またハムが聞こえてきますが、低音の量感たっぷりでストレスとは無縁の音が聞こえてきます。
そこで、アンプ基板のデカップリングを増すのと同時に、電源回路からTR式リップルフィルタを取り去り、代わりに抵抗式リップルフィルタへと改造しました。
この定数で、私のヘッドホンではハムは聞こえないところまで低減しています。
やっぱり電源は凝らない方が音はストレートで、ストレスのない音が聴けます。
一時期はどうなるかと思いましたが、無事にA1015/C1815フルディスクリートアンプはまとまってきたように思います。
バイポーラらしい、明瞭でくっきりしていてステージまでの距離感の近いストレートな音です。
それでいて音量を上げても耳が痛くならないストレスフリーな耳障りで聴きやすいです。
またドラムスなどの力強さもそこそこあります。
残響音もわりとよく出てきましたが、ぺるけ式に僅かに及ばない点として、その響きの広がりとかふわっとした雰囲気が若干足りない感じはします。
ベールがかかっているというのは、どちらかと言うとぺるけ式の方ですが、なぜか残響音が少ないように感じます。
文章で表現するのが難しいですね。
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電圧安定化していないのですね。
私も電源はトランスですが、TRのリップルフィルタとOPアンプの誤差増幅で強力に負帰還
かけて残留リップルを極限まで減らしています。
回路の消費電流が少なくて、負荷がヘッドホン程度なら電圧変動は気にするほどでも無いのでしょうか。
残留リップルに依る音質への影響は実際どうなのでしょうかね。
トランスでの電源回路は安定化ありきで考えていたので、目から鱗が落ちました。
実際に試して比べてみます。
投稿: ポンコツ | 2012年12月23日 (日) 02時08分
このアンプは、できるだけ回路はシンプルにしようとしていましたから、
電源もシンプルにと。 そういう設計にしています。
電圧増幅段(このアンプの場合1段目と2段目)は定電圧化してある方が良いはずです。
出力段の電源はインピーダンスを低くした方が理想的です。
ヘッドホンアンプは、微妙な立ち位置なため、どちらが良いかは聴いてみて判断
するのが良いかと思います。 使うヘッドホンにもよるかもしれません。
というのは、ヘッドホンのインピーダンスは、10Ω程度のものから300Ωを
超えるものまであって、流す電流が種類によって異なるからです。
ちなみにパワーアンプでは、殆どの場合、100万円超の高級機においても
電源は定電圧化していないです。
投稿: たかじん | 2012年12月23日 (日) 13時19分
追記です。
出力電流が大きくなるほど、定電圧回路によるインピーダンス上昇がネックになり
やすく、パワーアンプでは殆どの場合、定電圧にしていません。
ヘッドホンアンプやプリアンプのように出力の電流が少なければ、定電圧化した方が
良い場合が多いと思います。
という風に書きたかったのです。 言葉が足りませんでした。
投稿: たかじん | 2012年12月23日 (日) 14時36分
電源のインピーダンスで調べてみました。
さまざまな設計思想があるのですね、実際試して耳で確認してみます。
ありがとうございました。
投稿: ポンコツ | 2012年12月23日 (日) 17時55分
そうですね。 自分で確かめてみるというのは、とても大切なことだと思います。
ネットで調べると電源インピーダンスは少し高いほうがよい音がするなんて文章までありますからね。
また、定電圧化の回路も色々なパターンがあって、おそらくそれぞれ音が違うんだと思います。
投稿: たかじん | 2012年12月25日 (火) 22時13分
電源は、金田式ではありませんが
音の性格が決まります。
ダイオード整流は、通電時間が短いために
スパイクノイズがでて、静かさが出にくいです。
抵抗を、ダイオードに直列にいれて、スパイク
時間を長くすると、音のケバケバが少なくなります。
または、大昔のチョークコイルもよいです。
投稿: ツトム | 2013年1月27日 (日) 12時51分
ツトム さん こんにちは。
ダイオードのノイズ発生は電流が止まる瞬間なのですが、それに対して色々な対策がありますね。
ファーストリカバリやショットキーは元々ノイズが小さくて音が良いと言われています。 ダイオードに
フィルムコンデンサを並列につけてノイズを吸収するとか、直列に抵抗を入れるのもひとつの手法と思います。
そういえば最近は整流管でもチョークを使わなくなりましたね。 コストが高く付くからでしょうか。
電圧降下が少なく整流管への負担を減らせられる良いアイテムだとは思うのですが、いつのころからか
整流管は消耗品扱いになってしまった感が否めません。
おっしゃる通り、電源は音に対して影響力が大きいので、結構気を使います。 電圧安定度が良い悪いとは
別次元のようにも思います。 不思議ですね。
投稿: たかじん | 2013年1月27日 (日) 17時10分
ダイオードのノイズはメーカー発表では、そうですが
50Hzの整流でダイオードの通電時間は、普通の
コンデンサ容量ではmsecです。
可視聴帯に入り込んだ、スパイク整流が現実です。
そして悪いことに、電源インピーダンスは、この間欠
接続のために、ピークを持って変動しています。
トランスは二次側が電球だと、やさしい光をだすと思います。
コンデンサの整流はやはり、ぎすぎすした槍のようだと思います。
投稿: ツトム | 2013年2月13日 (水) 21時23分
こんばんは。
確かにそうですね。 50Hzの交流は1周期で20msで、その半周期は10ms。 ただ10ms電流が流れ続ける
訳ではなくピーク電圧時の2~3msがいいことろです。 負荷が少ないと1ms程度となります。
PFCというのはご存知でしょうか。 ここ7~8年くらいのパソコン用電源などはPF制御が義務つけられて
いるので殆どPFCが入っていますが、上記のスパイク状電流を滑らかにしています。
http://www.semicon.toshiba.co.jp/product/linear/selection/powersupply/pfc/index.html
このへんに波形付きで説明されているのですが、ツトムさんの言うようにコンデンサへのスパイク電流が
音へと影響しているのであれば、PFCをつけた電源を作ってみるというのも新しい試みかもしれませんね。
トランス電源だと力率は0.7程度と低く、ダイレクト整流のスイッチング電源だと0.6と更に
低いのですが、PFC搭載で力率は0.95~0.99くらいまで改善できるので、白熱電球クラスの力率になりますね。
ただ、一旦電圧が200V~380V以上へと上がってしまうのが難点でしょうか。
やはり究極のDC電源はバッテリーになってしまうのかもしれません・・・
投稿: たかじん | 2013年2月13日 (水) 23時04分
ぺるけ式は、電源の影響を出来るだけ避ける
設計をしています。
その為に、電源フィルターが強めにかかっています。
最高のバランスを目指していません。
ロバストな状況で、平均的に良い音を狙っています。
ここが、すべてを指定し、最高を目指す、金田式との
大きな違いです。
ぺるけ式の改善は難しいと思います。
投稿: ツトム | 2013年2月15日 (金) 21時52分
ツトムさん
こんばんは。 ぺるけさんのFET差動アンプは、電源の影響がでにくい構成であるのは同感です。
私が作ったときには、使用したヘッドホンによるところも大きいとは思いますが、平均的とも思えないくらい
不満のあるの音だったものですから、ついつい改造してしまいました(笑
電子回路は、定数ひとつ、使う部品ひとつ、電線1本で音が変わるものですから、何かを変更して
音が変わったものを「改善」というのか「改悪」というのかは、難しい部分なのかもしれませんね。
私が公開している改造項目も、ぺるけさんにとっては改悪に過ぎないと。 そう捉えられても仕方がありません。
たとえ話がアレですが、私は車を改造するのが好きでした。 マフラー、ECU、GTウイング、サスペンション、
クラッチ、ブレーキ、ミッション、デフ、バケットシート、ハンドルなどなど、最後のあたりにはディーラに
持って行くと完全に嫌な顔をされる始末でした。
自分では峠を走るには最高の仕上がりになったと思っているのですが、ディーラーマンからすると違法
改造そのものです。 そこで思ったのは、メーカーが綿密に設計したものから脱却したとしても、
ユーザーが最終的に満足できればそれで良いんじゃないか。 と。
目指す場所も、ひとそれぞれ。 千差万別。 その方が、面白いと思いませんか?
どこのご家庭に行ってもアキュフェーズとタンノイが置いてあるとか、嫌です(笑
投稿: たかじん | 2013年2月15日 (金) 23時02分
電源で、電池が最高とは考えていません。
使うのに不便です。
ダイオードの後に、LCでパワーフェィズフイルターを、
時定数を変えて並べて何とか整流の通電時間を延ばせないか?
とか考えています。
電源で、ダイオードとコンデンサとのDC化ですが、もう、そろそろ進歩
したいと願望があります。
投稿: ツトム | 2013年2月16日 (土) 17時25分
また、新電源が完成すれば、ぺるけ式は再調整すべきだと
思います。
投稿: ツトム | 2013年2月16日 (土) 19時25分
その昔、テクニクスとかマランツがバッテリー式のプリアンプを出していましたね。 充電を自動で
行なうような仕組みになっていたとは思うのですが、やはり聴きたいときにバッテリーが切れていると
不便は不便。 でも、充電式や電池式のポータブルHPAはそれなりに良さがあるように思います。
商用電源の50Hzや60Hzからの整流も、やはり昔にいろいろ挑戦していたメーカがありますね。
25年から30年くらい昔ですが、NECのリザーブ電源。 SONYのパルスロック電源あたりです。
他メーカに及ばず、同社の他のアンプにもあまり展開されなかったようですから、成功したとは言え
ないような気がします。
まあ、ぺるけさんのHPAもスイッチング電源ですから、50Hzの間欠リップル電流はないのですが・・・
商用電源が200Hzとか500Hzだったら、また状況が違ってくるのかもしれませんね。
投稿: たかじん | 2013年2月17日 (日) 20時47分