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2012年9月 3日 (月)

エミッタ抵抗の効能

A1015/C1815フルディスクリートヘッドホンアンプもいよいよ大詰めです。
細かいチューニング作業を始めています。

さてさて、ここで設計時のミスが発覚しておりますので、下記に説明いたします。

A1015
 
 
初段の回路には少し大きめのエミッタ抵抗をいれていますが、これの効果はいくつかあります。

■hfe、Vbeのバラつき吸収
  エミッタ抵抗により局部帰還がかかるためVbeのバラつきは殆ど
  無視できる程になります。 またhfeのバラつきは増幅度につなが
  りますが、ある程度のコレクタ電流(1mA以上)が流れていれば、
  負荷抵抗とエミッタ抵抗の比率でゲインが決まってくるので、hfeの
  バラつきも相当抑えられます。 
  トランジスタの同一ランク内の2倍程度の違いは、殆ど無視できる
  ほどになります。

■歪の低減
  エミッタ接地回路で増幅した波形の歪率はあまり良いものではあ
  りません。 コレクタ電流や負荷抵抗、振幅にもよりますが、0.5%
  から5%程度と波形が歪みます。

  例えば1%程度の歪が発生していたとして、エミッタ抵抗による
  自己帰還で20dBほど減衰させると 1/10の0.1%まで歪が減ります。

■ノイズの増加
  ちょっと見落としていたのですが、雑音指数NFはエミッタ抵抗を入れると悪化します。
  手元の資料によりますと、(特定のトランジスタ、特定条件での比較表)

  エミッタ抵抗    NF
     0Ω      4.3dB
    10Ω      5.6dB
    20Ω      6.8dB
    50Ω      9.4dB
   100Ω      12.4dB   という具合です。 

  NFはアンプを通すとどれだけノイズが増加するのかという数値です。 数値が大きいとノイズが多い。

お分かり頂けましたでしょうか?

そうです。 S/Nが悪いのはC1815のせいではありません。 私が悪かったのです。 
エミッタ抵抗を大きくしすぎていました。。。
 
 
出直してきます。 
 
 

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