バランス
ここでは左右の音量バランスの事ではありません。 初段の電流値が音質に与える影響について実験してみました。
電流値 ノイズ 音質 負荷抵抗値
1.2mA △ 穏やか、ゆったり 1kΩ
0.6mA ○ 少し芯が出てくる 2.2kΩ
0.3mA ◎ 鮮やか(賑やか) 3.3kΩ
ざっと、こんな感じです。 音質とノイズのバランスをどうするか。 なかなか決めがたいところです。
0.3mAのノイズの低さで、0.6mAの音の芯の強さが得られると良いのですが。。。
次なる実験は、エミッタ抵抗の変更です。
かなり適当に120Ωを入れていますが、この抵抗は初段の局部帰還で、TRのバラつき吸収とともに初段の歪低減をしています。 ついでに初段のゲインがここで制限されているため、ノイズ量にも影響があります。
0.6mAでエミッタ抵抗を33Ωまで下げてみました。 そうすると
電流値 ノイズ 音質 負荷抵抗値 エミッタ抵抗値
0.6mA ○ 少し芯が出てくる 2.2kΩ 120Ω
0.6mA ◎ 鮮やか(賑やか) 2.2kΩ 33Ω
これはいかんです。
初段0.3mAと同じ傾向です。。。 ただ、0.3mA時ほどのうるささはありません。
程よいエミッタ抵抗値があるように思えてきました。
こうやっていろんな表情を見せるのがディスクリートの面白い部分です。
オペアンプを使うと簡単に回路を組めますが、音質調整範囲は限定的です。 そしてオペアンプの種類を交換するだけのチェンジニアになってしまいがち。 音質の違いを楽しむ趣味としては面白いんですがね。
と実験を進めたところで、今日はおしまい。 続きは明日。
C1815での音質の詰めは結構手ごわい。 スイートスポットが狭いとも言える。 だけど、現時点での正直な感想は、ノイズはあるがわりと良い音質、表現力です。
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