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2012年9月10日 (月)

完成としましょう

8月初旬から開発スタートして、だいぶ遠回りをしてきたA1015/C1815フルディスクリートヘッドホンアンプですが、その奏でる音楽は天井が抜けたように上へと開放され、秋の青空が見えているかのように清々しい音になりました。

ここで、ひとまず完成としましょう。

A1015c1815

汎用トランジスタの代表格の2SA1015と2SC1815だけを使ったディスクリートアンプです。
 
おそらく、このトランジスタでここまで音質を突き詰めることはあまりしないでしょう。 なぜなら、世の中にはもっと良いトランジスタが沢山あるからです。  とは言っても、200個一袋を秋月で買ってしまって、沢山余っているという人もそれなりに多くいると思います。 そんな方々のため、少しでもこのトランジスタの活用方法を広げられればとも思います。 

最初は回路的にも面白みがあって、音もびっくりするようなものを目指していましたが、残念ながら回路はとてもオーソドックスな構成で面白みに欠けるものに仕上がってしまいました。 しかしこのアンプから出る音には少なからず驚いてもらえると思います。 

設計にあたり、構成を決めていく部分から定数の決め方、ざっくりとした入出力インピーダンスの計算などを行なってブログに書いてきましたので、少し勉強になりましたでしょうか。 私自身もオーディオ回路から離れて7~8年ほど経ちますので、今回、色々実験してみて改めて良い勉強になったように感じています。 

ただ、当初考えていたよりトランジスタの使用個数が多く、初心者がユニバーサル基板で作るには、少々ハードルが高くなってしまいました。 
アンプ設計に関しては初心者でも、ハンダ付けなどの電子工作はそこそこ数をこなしてきたという方が作るにはちょうど良いと思います。 

密かな目標として、ぺるけ式HPA(と禁断の・・・)を音質で超えること考えていました。 
なかなか部分的に越えられない所があって完成まで時間がかかってしまいました。 色々と遠まわりした感もありますが、現状ではそれなりに健闘しているというのが私なりの正直な感想です。

実際の音は作ってみてご感想をいただければと思います。 
ある程度は音質の調整も可能ですので、お使いのヘッドホンと好みに合わせるようなことも可能です。
 
 
1015_1815_12
 
 
  


 
 

ぺるけ式と聞き比べると初段FETとバイポーラトランジスタの違いが聞けて面白いです。

FETは、響きがきれい。 音を優しく包み込むように刺激が少なくスムーズですが、僅かにベールがかかっているようにも聞こえる。 
バイポーラは、直接的で明確。 音離れが良くハッキリと音の違いを表現する。 トーンのちょっとした違いをも描き分ける力があって、曲のコード進行上の転調でゾクっとするような感覚がある。 
文章にするのが難しいですが、スタジオの空気の温度を感じる。 暖かい場面からヒヤっとする場面へと変わる瞬間がある。  そういうのがこのアンプにはあるように思います。

  FETはクラッシックや少人数ジャズ、女性ボーカル向き。

       バイポーラはビッグバンドジャズやポピュラー、ロック向き。

  FETには大人の高級感がある。

       バイポーラには若者バンドの勢いがある。 

  FETはコンサートを特等席で聴いているような感覚。

       バイポーラはステージに上がって演奏しているような感覚。

そんな気がします。

ちなみに音量を上げると、すぐに音(ね)を上げるぺるけ式に対してA1015/C1815アンプは、全くもって余裕があります。
その辺りは歪み特性を見てもハッキリと判るくらいの違いがでています。
 
 
 
Noninvd_thd1

こちらが、ぺるけ式とA1015/C1815を同一条件、同一測定器で測定した歪み特性です。 (※)
ぺるけ式の方は、3mW以上では歪が増えています。 これ以上音量をあげると耳が痛くなってきますので、2mW前後までとしておきたいアンプです。

以前に自分がどの程度の音量で聞いているのか測定したときに、この2mWマジックに引っかかってしまいました。 A1015/C1815で聞くと10mWを超えるくらいまで音量を上げても耳は痛くならないです。 ものすごい音圧です。 

低能率ヘッドホンを大音量で聞くなら、ぺるけ式より A1015/C1815アンプの方が確実に合っているように思います。
 

※ 測定条件は、30Ω負荷、ぺるけ式は終段60mAアイドリング設定です。 
   A1015/C1815アンプの終段アイドリングは10mA x3パラです。

注) 歪が少ないからといって音がよいとは限りませんので、歪み率特性はあまり重視しない方が良いと思います。
  上のコメントは、あくまでも音量を上げていった時の印象がどこで変わるのか、というのを表現したかっただけです。

 

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