出力段の設計(2)
1段ダーリントンとは言いませんが、コンプリメンタリのプッシュプル出力の3パラだと、このような回路になります。
ベース抵抗などは省いていますが、発振したら追加するという方向でいこうと思います。 また、バイアス生成部も適当にダイオードだけしか入れていませんが、実際の回路を組むときには また別途考えてみようと思います。
とりあえず、この回路で出力インピーダンスがどの程度なのか計算してみましょう。 まず、2段目の出力インピーダンスを求めなければいけません。
エミッタ接地回路の出力インピーダンスZoは、
Zo = (VA+VCE)÷IC
です。
アーリー電圧VAは、IC-VCE曲線で割り出しますが、C1815/A1015のデータシートでは、Vceが低いところしか 載っていなくて、いまひとつ明確にはわかりません。 ここは適当に100Vとしておきましょう。
あとは、コレクタ電流ICは5mA、VCEは8Vで計算してみます。
Zo = (100+8)÷5mA = 21.6 kΩ となりました。
これが上下にありますので、2段目の出力インピーダンスは 約10 kΩ ということになります。
Zoの計算方法は、もうひとつあります。
Zo = 1÷hoe です。
データシートからVCE=12V時でIC=5mAでのhoeは10~30uSとなっていますので、とりあえず中間の20uSを 式に入れてみます。
Zo = 1÷20u = 50 kΩ となります。
これが上下にありますから 25 kΩ となりました。
上の計算方法と2倍くらい違いますが、大体よいところでしょう。 VA=100Vは適当すぎたのかもしれません。 またhoeのグラフもhfeの違いで3倍くらい幅がありますから、上下でおおよそ10~30kΩで計算しておけば間違いないと思います。
どちらの計算で求めるかというと、データシートにhoeのグラフが載っているのであれば 1÷hoeの式の方を使う というのがよいと思います。 hfeのバラつきの影響で出力インピーダンスもバラつくことを理解できたと思います。 つまり計算結果はそれほど正確ではないけど、仕方がないということです。
ここでは、2段目の出力インピーダンス = 20kΩとして次の計算に進もうと思います。
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