出力段の設計(5)
前回で面倒でつまらない計算は終わらせたかったのですが、ここまできたので、ついでに 3段ダーリントンだったらどうなるのかも計算してみましょう。
回路図はこんな感じです。
エミッタフォロアー2段目の出力インピーダンスは、前回求めた 3.76 Ωを使います。(ズルしてます)
コンプリメンタリーなので上下で2つありますが、エミッタ抵抗が150Ωなので、そのまま3.76ΩをRsとします。
条件として hfe = 100
IC = 10mA
gm = 40×IC = 0.4 S
Rs = 3.76 Ω
Zo = (1 ÷(1+100)(3.76 +(100÷0.4))= 0.0099 × 253.7 = 2.51 Ω
ここまでくると、「2段の3.76Ω」 と 「3段の2.51Ω」 であまり違っていないのが分かります。
3段ダーリントンにすると、寄生発振などが起こる確率が高くなりますので、メリットとデメリットを比較した場合、2段の方が良いとココでは判断せざるを得ません。
3段でちゃんと寄生発振が起こらないことを確認するには200MHz程度のアナログオシロと、負荷抵抗、C負荷、L負荷など、機材がいろいろ必要になってきます。 私もそんなものを持ち合わせていません。
スピーカー駆動の場合は実際に音を聞くと2段と3段で違いが明確にあるのですが、今回はヘッドホンアンプですし出来るだけシンプル、かつ、自作の範疇に収める必要がありますので2段ダーリントンで進めようかと思います。
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