プリリンギングとサンプリング周波数
48kHzと96kHzの間には有意な差をほとんどの人が体感できる。
聴き比べればその違いは一発だ。この二つのサンプリング
周波数の間には、聴感上、越えられない壁がある。 サンプリング
周波数が低いため、プリリンギング・ノイズが可聴帯域に近い周波
数に表れるからだ。48kHzでサンプリングする場合、記録できる上
限の周波数(ナイキスト周波数)である24kHz以上の音が入っていると
“折り返し”というノイズが入ってしまう。これを防ぐため、20kHzを越
えたところから急峻に落とすフィルタ (ほぼ垂直に落とすため、
ブリックウォール……煉瓦の壁と呼ばれる)フィルタをかけなければならない。
急峻なフィルタをかけると、強いリンギング(信号が急変する際、
その前後にノイズが加わること)が出てしまう。
特にプリリンギング(実際の信号より前に出るリンギング)は、実際
の音にマスクされないので音質に大きな影響を及ぼしてしまう。
と、抜粋しましたが、つまりは、A/D変換時に20kHz以上の音をフィルタリングするときに「折り返しノイズ」が発生ししてしまう。 また急峻なフィルタではプリリンギングも発生する。
それが聴感上の違いに現れる。 ということのようです。
Dolby TrueHD Advanced 96kHz Upsamplingでは、プリリンギングをうまくマスキングしながら事前にアップサンプリングしておく。 そうすることで、再生時は通常の再生機でも効果を発揮できる。
なかなか面白い技術だと思いました。 説明もなんとなく理にかなっているような気もします。 根本的なところはA/D変換時に「折り返しノイズ」と「プリリンギング」を出さないようにするという事だとは思います。
プリリンギングを小さくするというのは、手法が異なるかも知れませんが、デノンのアルファプロセッシングでも同様のことをしていたと思うので、似たような効果があるのかもしれません。
近年ではDACのデジフィルの種類によってもプリリンギングが出にくいものがあるので、従来のFIRで直線位相一辺倒ということはなくなって、それぞれに個性があって面白いです。
※)イマドキのADCでは64倍から128倍オーバーサンプリングくらいは当たり前で、急峻ではないプレフィルタと 折り返しノイズが発生しにくいデシメーションフィルタにより48kHzへとダウンコンバートしていると思うのですが、 まだ、足りていないということなのでしょうか。。。
デジタル記録とアナログ復元を考える。
こちらの説明も音声波形を可視化していて、なかなか面白いです。 興味のある方はどうぞ。
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