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2012年8月 8日 (水)

初段の設計(1)

電圧帰還タイプのアンプにすることに決めましたので、早速初段の設計を始めようと思います。

2段目も含めて差動2段にするか、差動回路は1段だけにするか。
とても悩ましい部分で、決めるのは難しいです。

それぞれのメリット、デメリットを列挙してみましょうか。

■差動2段回路

Sch2

 1.DC安定度抜群
    1段目の負荷を等しくできるのが主な理由です。

 2.オープンループゲインを高くできる
    ヘッドホンアンプの場合、仕上がりゲインは2倍から5倍で済むので、むしろデメリットになるかもしれません。
    非常にゲインが高いアンプを低ゲインで使うには高度な位相補正などが必要になってきます。

 3.CMRRが高い
    コモン・モード・リジェクション・レシオ、同相成分の除去比が高いので、とにかく差動成分しか増幅しない、
    という理想オペアンプ動作に近づきます。

■差動1段回路

Sch1

 1.回路がシンプル
    2段と比べて回路がシンプルにできます。
 
 2.DC安定度は未知数
    負荷を均等にすることで安定度は確保できると考えていますが、ゲインを稼ぐために能動負荷とした場合
    負荷は均等になりません。 

また、1段差動回路の場合、上下対称差動回路とすることも可能です。
その特徴を列挙してみます。

■上下対称差動回路

Sch3

 1.電源電圧除去比(PSRR)が高い
    上下で同じ構成の回路になるので±電源の電圧変動の影響を打ち消しあうため、電源変動が
    出力に出てきにくい。 

 2.S/N比が高くなる
    2パラ構成と同じになるのでノイズがルート2分の1になる。
    上下対称ではなくても、2パラ、3パラと並列にすることで
    S/N比を稼ぐことはできます。
    ヘッドホンアンプでは、さどほS/N比は気にしなくても十分だと思います。

 3.後段のドライブ能力が高い
    上下とも強制的に電流を押し込める回路となりますので、出力
    段を強力にドライブできます。

 4.歪みは上下で打ち消すことはなく
    NPNのトランジスタとPNPのトランジスタ、コンプリメンタリ品を
    使ってもリニアリティは同一ではありません。
    お互い直線性の違うもの同士が増幅動作するので合成する
    後段で厄介なひずみが発生します。
    初段が原因で発生する歪みはNFBを掛けても低減することが
    できませんので致命的です。
 
 
ちなみに上下対称差動で差動2段にすることも可能ですが、回路数が膨大になってしまうので今回は対象としていません。 
 
  
これだけ、特徴を列挙してもいまひとつ決め手に欠けます。
私が今までに採用してきた回路は差動2段と電流帰還タイプだったので、それぞ除いた回路構成にしたいとは考えています。 (自分自身の勉強も兼ねますので)
 
次回は2SC18115、2SA1015の特性図でも見てみましょう。
 
 
 

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