100円ショップのケースで YAHAアンプ (2)
まずは、内部写真を2枚ほど。
殆どの回路は、真空管のソケット周りに実装しています。
いわゆる空中配線ですが、高さの違う端子からリード線を接続することで3次元構造となって、見た目より
ふにゃふにゃではありません。 とはいってもお薦めできる配線の方法ではありません。
それと、ごらんのようにアルミテープを貼り付けてシールドをしています。
回路は、こんな感じにしました。
電源の100Ωと2200uFは、電源ON/OFF時のポップノイズを幾分和らげる作用があります。
その部分は2ch共通部分です。 残りの部分を左右2ch分用意しています。
オリジナルと違うのは、ヒーター電圧が12Vで良いため、定電流回路を省いている点と、カソードに抵抗を
挿入して自己帰還をかけている点です。
もう少し厳密に言えば、グリッドの初速度電流によるバイアスに頼らず、カソードを+電圧にしてあるところが
違っています。 そのためグリッド抵抗は100kΩと少し小さめにしています。
増幅段に自己帰還をかけた理由ですが、
1.ゲインが高すぎで使いにくい。
素のままだと、おおよそ8倍~10倍ほどあって、ボリュームを上げられない。
安価なボリュームは、ある程度ボリュームを上げないとトラッキングエラーが大きいので左右の
バランスが崩れてしまいます。
2.プレート電圧がチャンネル間で大きく異なる。
片方が6V、もう片方が8.5Vという具合です。 当然、音量をあげるとすぐに片方だけ歪んでいきます。
4本所有しているJAN5687ですが、どれもプレート電圧が一定にならない。
想定されていない使い方だから文句はいえません。
カソードに4.7kΩ、プレートに22kΩで、約3~4倍のゲインになりますし、自己帰還のおかげでひずみも減りました。
その代わり難点もありまして、
ひずみを抑える = YAHAらしさが低減してしまう = 特徴の薄い音になってしまう
というところです。
結局、帰還を沢山かけたら普通の音になってしまい、真空管を使ったうまみがでないんですね。
素材殺しとはこのことでしょうか。
適度な2次歪みを加えたサウンドというのは、それなりに面白みのある音だということを感じられる良い体験ができました。
ある意味エフェクターの一種ですが、それでご機嫌な音楽が聞ければすべてよし。 といったところかもしれません。
その後、カソード抵抗を調整しました。
1kΩくらいがちょうど良いサウンドでした。 エフェクト量を可変できて好みの音に調整できるというのは楽しいです。
ついでに、A47アンプからヒントを得て、オペアンプの出力を2パラにしました。抵抗は33ΩなのでA33ですかね?
オペアンプバッファの位相は同じになるので、厳密にはA47アンプより高域までまともな動作になるかもしれません。
カソード抵抗が1kΩのときはのゲインは約4.5倍となりました。 左右の音量差も気にならない程度です。
プレート抵抗は33kΩ~47kΩくらいの方が良いかもしれません。
真空管を使わずにこのサウンドが聞けると良いなと思います。 真空管はやっぱり熱いですから。
ギターなどのエフェクターでは真空管の特性をシミュレートしてたりしますし・・・
今回の実験に際して白ケーブル氏の改良版YAHAアンプの帰還方法も試してみましたが、
真空管のチャンネル間のバラつきでプレート電圧(バイアス電圧も含めて)の差があり、両チャンネルとも
良い状態で増幅できませんでした。
プレート電流のDC安定度という点ではカソードをGNDに直結、且つ、バイアスも固定というのは少々
難があるのかも知れません。
6DJ8なら大丈夫なのでしょうか?
特に購入予定はないのですが、少しだけ気になります。
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