聴感補正 S/N比の測定
S/N比を測るときには下の図のようなフィルタを入れて測定します。
JISで決められたAウエイトという特性です。 (C曲線の方は無視してください)
この特性は、ラウドネス曲線に基づいて決められたらしいです。
下の図が、ラウドネス曲線です。
人が同じ大きさに聞こえるときの実際の音圧を示しています。 例えば、60ホンで聞こえるときの周波数特性は、1kHzでは60dB(SPL)ですが、100Hzだと77dB(SPL)の音圧が必要。という具合です。 スレッショルド以下の音は小さすぎて人の耳には聞こえないというレベルです。
Aウエイトは、ようするに人が感知できる特性に合わせてS/N比や残留ノイズを表したいという要求から生まれたものです。
人には聞こえない20kHz以上のノイズ(ホワイトノイズには沢山入っている)なども含めて測定していると実際に聞こえないのにノイズが多い(S/Nが悪い)という数値になってしまいます。
ウエイトなしで測定してノイズが低いとすると、そのアンプが本当にノイズが低いのか、はたまた帯域が狭いために数値が低くなったのか判断できません。 S/N比の数値をよくするために意図的に帯域を狭くするなんてことがおこりえます。
そこで、みな同じ測定方法で数値を表すことが必要になり、このようなウエイト(フィルタ)を入れて測定する方が理にかなっているということになりました。
ちなみに、もともとはIECとかの国際基準をもとにJISやEIAJが規格化していますので、別の名称でJIS-A、 IHF-A、IEC 179-Aなど同じカーブです。
Aウエイト wikiペディア
興味がありましたら、こちらも参考にしてください。
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