オペアンプICとディスクリートアンプ
オペアンプなんて大した事ない、ディスクリートの方が良いに決まっている。
なんていうことを言った同僚がいました。
多くの人のメインソースであるCDプレーヤー(SACD、DVD-Audioも含む)で、DAC以降すべてをディスクリートで
組んであるものがどれほどあるでしょうか。
殆どのDACポストフィルタはオペアンプで構成されていると思います。 その方が特性が良くだせるからです。
実際、20年以上前に開発されたNE5532でも、使いこなせば相当な音質です。
故 長岡鉄男氏が愛用していたことで有名な、NEC CD-10というプレーヤーが私のメイン機ですが、
シグネNE5532が使われています。
音質の方は、解像力と躍動感がすばらしく、残響音が消えていく瞬間に思わず息を止めてしまうような
緊張感があったりします。
ただ、粗い録音のディスクも隠さず表に出してしまうので、お気楽に聞けるという感じではありません。
まあ、そういう表現力もオペアンプで実現できているひとつの例だとは思います。
オペアンプICにはモノリシックで製造しているという足かせがあり、PNPとNPNトランジスタがどちらも理想的な
特性で作ることができないという記事を読んだことがあります。
また、電圧も±18V程度が限界ですので、それ以上の電圧が必要な回路では、一部の特殊な高耐圧オペアンプ
か、ディスクリート構成でアンプを組む必要が出てきます。
今回のようなヘッドホンアンプはぎりぎりオペアンプICでもドライブ可能ですが、余裕があまりないため
ドライブ能力という観点からはディスクリートの方が有利な場面が多いのではないでしょうか。
S/Nや歪、帯域の広さ、作る手間など考えると、オペアンプICに軍配があがるかもしれません。
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