ぺるけ式HPAの良い所ふたたび
あらためてまして、ぺるけさんのFET式差動ヘッドホンアンプの良いところを
列挙しようと思います。
■部品点数が少ない
執念すら感じる、部品の少なさ。 回路定数も部品点数が少なくなるように
吟味されている。 たとえば、NFBの定数は通常では考えられない150Ωと
いう小ささ。これはダイヤモンドバッファに適切な負荷をあたえつづけて、
ヘッドホンが接続されていないときも発振しないようにしている。
通常に10k~47kΩ程度なら、発振止めのCR直列負荷を追加しなければなりません。
運が悪いとベース抵抗も追加しなければならなくなります。
■部品の種類も厳選
あり合わせの部品をつかって判ったのですが、はやり推奨のトランジスタは、
かなり考えられている。 2SA1358/2SC3421はローコストのドライバ
トランジスタですが、2SA1859/2SC4883に置き換えるとAB級動作になったとき
にシャープカットオフな為かスイッチングノイズがにぎやかに発生した。
非常にうるさく聴こえて、結局純A級動作へと定数変更を余儀なくされた。
■部品の購入が容易
特別な部品を使用していない。 ぺるけさんのwebサイトで配布も行っている。
特に初段の2SK170は選別が必須ですので、自分で大量に購入するより、
ぺるけさんの所から購入するのが良さそう。 お値段も良心的です。
(というより、他のルートで探すより安い)
■信号が通る部分にコンデンサを入れていない
最後の最後、ヘッドホン出力だけDCカットしていますが、そのほか、特に小
信号の部分に入れないようになっている。 たかがコンデンサと思うかもしれま
せんが、音質への影響力は大きいのでそのこだわりが感じられます。
■独創的な回路構成
差動回路は、どこにでも使われている回路ですが、電源電圧が上下で
非対称となっている。 マイナス電源の安定化にダイオード2直列のみという
構成ですが、最初は、単に最小限の構成としただけかとも思いました。
ところが、良く考えてみると、抵抗分割式の±電源より遥かに定電圧化能力が高い。
また、プラス側電圧は最大限にとってあるため、出力の振幅が大きくとれる。
少なくとも、私はこのような構成をした回路を見たことがありません。
すばらしいとしか言いようが無い。
■WEBサイトに、回路の仕組みなどがしっかり書いてある
とても勉強になります。 定電流回路の実測データなど、非常に有用な情報
だと思います。 この形の定電流回路の採用に至ったとき、私は視聴しな
がら決めましたが、非常に多くの時間を割いてしまいました。 hfeの高い
トランジスタを使ったため、超高域発振が発生しベース抵抗を入れたりと
追加部品が必要でしたが、ぺるけさんのサイトには、さらりとhfeランクは低め
を使うように書いてあります。

他の方の記事も興味深いものがあります。
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