Select Your Language

免責事項

  • 本サイトの情報の利用、内容、サービスによって、利用者にいかなる損害、被害が生じても、著者は一切の責任を負いません。ユーザーご自身の責任においてご利用いただきますようお願いいたします。

    本サイトで頒布している基板およびキットは、技術者、またはそれに準ずる電気的知識をお持ちの電子工作ファンの方のためのものです。 一般のオーディオファンの方のためのものではありません。
    また、頒布基板およびキットは、いかなる条件でも動作を保証するものではございませんので、あらかじめご了承ください。

    電子工作では、火傷、感電、火災などの可能性があります。 十分に注意をして作業して下さい。

    営利目的のご使用は認めておりません。  記事の転載や、基板・キットの商用利用の方は、ご連絡ください。
    学生やサークルの学習目的でまとめてご購入する場合は特別なコースをご用意させていただきます。

スポンサー

« Moode Audio 4.2 にSabreberry32ドライバを組み込む | トップページ | Volumio2.413用のSabreberry32ドライバリリース »

2018年7月16日 (月)

FX-AUDIOの格安D級アンプを聴く

FX-AUDIOのFX502J-SというD級アンプを購入してみました。

NFJさんは似たような小型D級アンプを数多く提供されてらっしゃいますので迷います。

Fx502_01

< Vol-maxで使うのが基本? 格安パワーアンプ >

選んだアンプは、TIのTPA3250という、他のD級アンプICより一桁ほど歪率が低いICを使っているのが特徴です。いま思えば、ほぼ同じアンプで少し安いAmazonのFX502SPROでも良かったのかもしれません。

この2つの違いを ゴン川野さんが詳しく書いてらっしゃいました。こちらをご覧下さい。

この手の格安パワーアンプはボリュームの品質に期待できないため、プリアンプや音量調整ができるDACがあるのでしたら、Vol-maxで使うのは常識の範疇ですよね?

実際、このアンプで7時から8時方向で使うと「もっさり」して、本領の1/2も発揮できていません。このボリュームで音量を絞るのは緊急用と考えるようにしましょう。最近ではボリュームがついていないモデルも出しているようで、その方が潔いですね。

Fx502_02

< 魔改造 DCジャック2個仕様! >

アダプタの入力端子が一般的なサイズよりも大きいので、秋月2.1mmタイプを増設しました。これで色んなDCアダプタを使えます。(NFJで変換アダプタも売っていることに後で気が付きました。)

 

 

素の状態の音質は

1週間ほどエージングして音を聴いてみました。

8k~10kHzあたりの高域に強いアクセントがあり「チキチキ」と耳障りで聞き疲れが激しいです。音量を上げたくないアンプの代表選手のような感じです。

ただし、その高域のアクセントのおかげで、妙にホールトーンが多く長く聞えます。おそらく録音された音源には入っていないか微小レベルの音です。

これを聴いて すごい! 聴いたこと無い音がする!

と勘違いする人が続出すると思いました。これを狙っているとすると、興味深いチューニングと思います。

 

低音側はドサっとした濁りがあり、ちょっとまえのPA機材でも感じるD級くささを感じます。ディズニーランドなんかの屋外スピーカーもあの低音のクセ(違和感)を感じる人はいらっしゃるのではないでしょうか。

文章で表現するのが難しいのですが、ドラムスのバスドラを鳴らしたら隣りのスネアも振動でザザーって鳴って付加音がつくようなイメージです。S/N感の阻害を感じます。これはAB級やA級アンプでは一切聞こえないのでD級アンプの特徴だと思います。

ただし、こちらは聞き疲れする訳ではないので我慢はできる人が多いかもしれません。個人的には、どんな録音のディスクをかけても「常に付きまとう付加音」なので無い方が良いと考えています。

 

中音域、ボーカル領域は、滑らかさが足りない雰囲気ですが可もなく不可もなくというレベルです。もう少し表現の幅があっても良いかもしれませんが、高域・低域のクセほど主張がない点では評価できます。

 

 

高域がうるさくて長時間聞けないので改造しちゃおう

さて、このままでは使用に耐えないので、ちょっと改造してみました。

Fx502_03

出力部にあるzobelフィルタのセラミックコンデンサをフィルムコンデンサに変更。入力部のカップリングコンデンサをMUSE(金)に交換。入力の信号ラインのコンデンサをセラミックからフィルムに変更するとさすがに音が変わりますね。

ここまでで、高域のチキチキ感が減り、へんなホールトーンも消えました。

 

電源デカップリングをMUSE(黒)に交換すると低音の量感が減ってしまい純正よりもつまらなくなってしまったので、元に戻しました。低音の量感はデカップリングで印象が変わることが分かって勉強になりました。

D級アンプもAB級アンプと同様に電源事情は大切ですね。

 

その後、12Vスイッチング電源を取り去ってディスクリートレギュレータにしたところ、全体的にザラついていたガサガサのベール(?)が一枚剥がれたようなイメージで音源の差が多少は聴こえるようになってきました。

Fx502_04

ついでにアンプの電源系に入っているセラミックコンデンサをフィルムコンデンサに変更したり追加してみますが、変化はわずかです。

 

最後に、OPAMPを交換してみます。TIのNE5532が付いているので、悪くないハズと思っていたのですが、それが偽物なのか新日本無線の5532に交換すると劇的に改善しました。

そしてNJM2114DDに交換すると更に懐の深い音になりました。

 

 

改造しつくした結果

当初のFX502J-Sの音からすると、かなりD級臭さを払拭できました。D級アンプの音が好きという人はこの改造を行わない方が良いです(笑

 

全体的な印象として、フツーのアンプになりました。

ここでいうフツーは、悪い意味ではありません。まったくフツーに聴ける音が出るということです。
VFA-01(ディスクリートアンプ)と比較すると、まだ中高域の滑らかさや低域の表現力は足りていませんが、すぐ足元まで攻められている感は否めません。

このDCアダプタを使ってですよ。ある意味驚異です。 ここまで改造しなければ良かったと後悔するくらいの音がでてます。

失礼ですがこの付録アンプとは比較にならないくらい上にいます。

 

マランツの「PM-10」はD級くささを一切感じさせない自然さがあり、テクニクスの「SE-R1」は余裕をも感じさせ、空間の再現性と空気感がとても良いです。まだごく一部ではあるものの、D級アンプも特別に意識する必要はなくなってきていますね。

 

まだまだこの分野では研究が必要そうです。

私も勘違いしていたのですが、高域のチキチキ感が増強されるのはD級アンプ特有のクセではなく、セラミックコンデンサから発する音だったようです。つまりA級やAB級アンプでも信号ラインにセラミックコンデンサを多用すると あの「チキチキ感」がでるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

ここからはオマケです。

 

D級アンプの出力LCフィルタについて

これは知っているひとも多いと思います。

D級アンプは出力段がスイッチングしているために直接スピーカーを駆動せず、LCフィルタが出力前に挿入されています。

回路はこんな感じ。(TPA3250のデータシートの例)

Lc_filter

 

ちょっと電子回路を学んだことがある人は想像しやすいと思いますが、実はこの回路には決定的な欠点が存在します。

負荷4Ωで設計すると、6Ωや8Ωでは高域にピークが出てしまいます。

Lc_4ohm

赤:8Ω 青:6Ω 緑:4Ω

 

逆に、8Ωで設計すると、6Ωや4Ωではハイ落ち特性になります。

Lc_8ohm

赤:8Ω 青:6Ω 緑:4Ω

通常、アンプは帯域内のF特のフラットネスは非常によく、±0.1dBもうねりはありません。それに対して6dB(電圧にして2倍)もの変化は、アンプ出力としてはあるまじき姿です。

 

TPA3250のデータシートの値、およびFX502J-SのLCフィルタは4Ω用になっています。今回、試聴に使った私のメインスピーカーも4Ωなのでちょうど良かったのですが、一般的な日本のスピーカーは6Ωが多く、海外メーカーだと8Ωが多いです。

自作や改造をするなら、LCフィルタの定数をご自身のスピーカーに合わせて変更することをおススメします。

フルレンジスピーカーのように高域のインピーダンスが上昇して公称値の2倍から3倍になっていることもあるので、インピーダンス補正回路を入れておくのもひとつの手段ですね。

インピーダンスはこんなカーブを描きます。

 

ダンピングファクタは、このLCフィルタのお陰であまり良くなく、このアンプで「52」でした。D級アンプを使ったメーカー製のアンプのカタログにはダンピングファクタを掲載している例が極端に少ないですね。

ドライブ能力の指標として考えられたダンピングファクタは、ドライブ能力が高いと謳いたいD級アンプで逆に不利になっているという面白い現象が起きているようです。。。

 

 

D級もフィードバックしている

D級アンプは電源電圧変動がそのまま出力に現われると思っている人も多いかもしれません。私も、かつてはそう思っていました。
実は、現在の殆どのD級アンプでは出力部からフィードバックしていてPSRR(Power Supply Rejection Ratio/電源電圧変動除去比)はそこそこの数値がでています。

Fx502_05

TPA3250のデータシートからの抜粋です。ブロック図が載っていないので分かりにくいですけども、フィードバック回路が内蔵されていて電源変動に対して60dB(1/1000)ほどのリジェクション能力があります。多量NFBタイプのAB級アンプの70~80dBに比べると若干劣ることは確かですが、実用上で問題になることはないレベルに達しています。

 

 

 

アンプ試聴シリーズ(改造シリーズ?)、まだ続きます。

お楽しみに。

 

 

にほんブログ村 PC家電ブログ PCオーディオへ にほんブログ村
ブログランキングに参加中です。 めざせ1位! 
もしよろしければ「ぽちっと」お願いします。 

« Moode Audio 4.2 にSabreberry32ドライバを組み込む | トップページ | Volumio2.413用のSabreberry32ドライバリリース »

パワーアンプ」カテゴリの記事

コメント

たかじんさんはこういうのは買わない人だと思っていました。
それにしても真空管から中華デジタルアンプまで、守備範囲が広いですね。とてもついていけません。
ボクは、502SPROのほうを買って最初、期待外れと思い、箱にしまっていましたが、最近、ボリュームをVISHAYのp9aに替えて、(10kΩ A) まあまあ気に入って聞いていました。
ボクの駄耳では、ご指摘の点は、正直よくわかりません。(デジタルアンプばっかり聞いているからか?)
同じ5532でも音が違うんですね。こんど実験してみます。
いろいろ勉強になります。
続編を期待してます。

D級アンプの出力LPFの対応インピーダンスは、インピーダンスの異なるスピーカーを頻繁に繋ぎ替える可能性があると、困った問題ですね。自分は中庸をとって6Ω用の定数になっていればいいと割り切ってます。もっとも、実際には4Ω設定のものを6Ω用に改造しているかと言えば、面倒臭くてそのまま放置というのが実態です。

先日、一時期一世を風靡したToppingのTP-10 mk4のコンデンサーを一部交換するとともに、ゲインが2倍になるように抵抗を交換しました。これで、音量調整がやりやすくなり、音にも若干スピード感が増したような気がします。もっとも、低音の量感は減ったかもしれません。

ところで、D級アンプと言えば出力LPFで除去しきれなかったPWMパルスがスピーカー・ケーブルをアンテナとしてEMIノイズを撒き散らし、FMなどに影響を与えることがあると思うのですが、このアンプは如何でしたでしょうか。後続の記事でその点にも触れて頂ければと思います。

余談ですが、TechnicsにはD級アンプではなく、classAAのアナログ・アンプを出すように何回か要望を出してます。でも、多分無視されるんでしょうね〜。

Hおじさんさん

雑誌付録のアンプでも遊んでいますし、楽しいですよ。 300Bは結構高いので、清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入しました(笑

まあ、それは冗談ですけども、、、

FX502SPROとFX502J-Sの違いをゴン川野さんが書いているのを発見しました。メーカー製の5万円クラスの音って言うのは”盛りすぎ” ですね。
さすがにオンキョー、デノン、ヤマハの5万円プリメインと比べてたら負けると思います。

高域の刺激はスピーカーによるところもあると思います。中高域が出やすいスピーカーだと、こういう特徴が現われやすいのだと思います。

新日本無線の5532は図太い音が特徴で、TIは細身で繊細。フィリップス(シグネティックス)はその中間という感じですね。 シグネが開発元で他社へライセンス提供していたはずです。


三毛ランジェロさん

スピーカーインピーダンス問題は高域のみですので、(スピーカー側へ)インピーダンス補正(高域の上昇を抑える回路)を入れてしまうことで、ある程度は回避できるかもしれません。

FMラジオへの影響は、私の自宅ではもともと入りにくいのでよく分かりません。周波数によって影響が出る可能性はありそうです。 少なくともAMの方は周波数がモロにかぶるため、IC自体にはスイッチング周波数を変更できる仕組みがあります。450kHz/500kHz/600kHzの3種類から選択できます。 このアンプは450kHzに固定です。

テクニクスのSU-G700はヘッドホンアンプ部にclassAAを使ってますが、メインアンプへの採用は難しいかもしれないですね。

このアンプで気になったのは、電源部で、MOSFETをフィルターとして使っているところです。こんな使い方があったのかー!
と思っています。「高速デジタル・フィルター」だそうですが、効果のほどは、どうなんでしょうか?
コモンモードチョークコイルなんかよりええんかなあ?

Hおじさんさん

よく気が付きましたね。

内部に12Vのスイッチングレギュレータがあり、その先に3.3Vのリニアレギュレータが繋がっていて、そこにマイコンがぶら下がっています。

マイコンは常に生きているのですが、Dクラスアンプの電源は電源入力部にあるFETにより、電源OFF時には遮断されるようになっています。

つまり電源スイッチにしているだけに見えます。

MOSFETをリップルフィルタに使うと、その前後で電圧降下が数Vほど発生するのですが、このFETの前後の電圧は全く一緒です。

ここまで書けば、どういう戦略かはわかりますかね。こんな名称ににするというのは面白いアイデアと思います。

あれー! そういうことでしたかー! チョットガックシ。
ガッテン! ガッテン!

おじさんも12Vレギュレーターの改造をやってみたいです。
まず、回路、基板のパターンをよく調べて、ボチボチ慎重にやってみます。

それにしてもこの基板を作った人はどうして、わざわざスイッチングレギュレーターにしたのかなあ??

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/587107/66942277

この記事へのトラックバック一覧です: FX-AUDIOの格安D級アンプを聴く:

« Moode Audio 4.2 にSabreberry32ドライバを組み込む | トップページ | Volumio2.413用のSabreberry32ドライバリリース »

サイト内検索

Sponsors link

2018年8月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ