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2018年7月12日 (木)

真空管アンプの王道 300Bを聴く

色々な形式のアンプを試食してみましょう。

その第1弾として、真空管アンプの王道 300Bを聴いてみました。

やはり、真空管といえば直熱三極管を聴かないといけません。2A3でも良かったのですが、せっかくですので王道のど真ん中である 300Bです。

Elekit04

かなり手抜きをしてエレキットの300Bを使ったキット「TU-873LE」の中古品を購入してみました。

 

実は、このキットアンプは市場評価が高く、TU-873、TU-8730、TU-873LE、TU-873LEⅡ と続いていて、発売するとすぐに売り切れてしまうほど人気だったようです。

 

買ったものは、球なしのジャンク品で、300B、6SN7も別途入手しました。

 

そして、アンプ修理から開始です(笑
ジャンク品というのは、動作しないということですよね。 うすうす気がついていましたよ。

そしてマニュアルとは違うコンデンサが付いていたり、配線の取り回しが違っていたりと改造されている様子。

Elekit02

かの有名なスプラグ社のビタミンQがカップリングに! これはラッキーでした。この容量/耐圧なら1個2000円くらいします。

修理内容の詳細は省きますが、入手から2週間くらいでなんとか動かせました。

 

純正の球とは違うためTU-873LE本来の音はわかりません。300BはCRというメーカー名?のカーボングラファイトのプレートで、この個体のアンプの感想になります。

 

電源投入から5分くらいのところでなかなか良い音を聞かせてくれます。ただ、その後、徐々に低音がダレてしまい30分後にはダランダラン、ドロンドロンの音になってしまいます。

ゆったりし過ぎの音です

 

そこで、初段の6SN7の動作電流を1mAから2mAに増やしてみました。ここはマニュアルに載っている回路図(電圧表記)をみて、気になっていたところです。6SN7は上限20mAくらい流せる球なのに、1mAは余裕すぎなんじゃないかと。

結果は、ばっちり。

 

低音の緩みが引き締まって、JAZZやロックを聴いても耐えられるようになりました。

全体的な感想としては、まだゆったりした雰囲気が残りますが、十分に力強さも表現できています。超高解像度とか、録音されている音すべてを出し切るという傾向ではありません。しかし、いつまでも聴いていたいアンプになりました。

 

ココが大切だと思います。

これは私の判断基準のひとつですが、

ある程度 大きな音量で鳴らしたときに、5分後、10分後、うるさくて音量を下げたくなるアンプと、むしろ真剣に聞きたくなって音量を上げたくなるアンプとがあると思います。

 

TU-873LEは間違いなく後者です。

原音再生タイプではなく、積極的に色を付けて演奏を楽しく聴かせてくれるようなアンプと思います。特にボーカルものは良い意味でエロい。それでいて、おおらかでゆとりのある大人のサウンドです。

エレキットは侮れませんね。発売時の価格は83790円。この価格でもすぐに売り切れてしまうとはすごいですよ。今の時代オーディオメーカーでも、単にステレオアンプだと8万円クラスのモデルを500台、販売開始とともに即完売とはいかないと思います。

 

 

話は脱線してしまいますが、

以前、エレキットのポータブル真空管ヘッドホンアンプを試聴させてもらいました。
https://www.elekit.co.jp/product/TU-HP01SA2

まあまあの音です。 しかし、下記のモデルの方がすごかった。
https://www.elekit.co.jp/product/TU-HP02

エレキット社の中には、オーディオに精通している設計者がいらっしゃるのでしょうね。TU-HP02(半導体ディスクリート)は素晴らしいと思います。なんだかエレキットの回し者みたいになってしまいした。。。

 

Elekit05

< カーボングラファイトプレートの300B >

300Bにもどって、

一応、周波数特性、歪率などを測ってみました。

他社製品ですのでグラフは載せられませんが、F特は30kHzまでほぼフラット。60kHzで-3dB落ちでした。ハイレゾも十分対応できますね。

最大出力は8Wと謳われていますが、私が測定したこの個体は7Wで1%ひずみ。 8Wだと4%ひずみでした。 10%THDでは9Wくらい出ると思われます。普通の家庭で聴くには十分なパワーです。

 

歪率は8Ω1W時で 0.1%程度と、思ったよりもひずみが多い事がわかりました。

ただ、音楽を聴いていてそうは感じないのが不思議です。2次、3次、4次・・と高調波の比率が半導体のアンプと違うのかもしれませんね。聴覚と歪率の関係は、個人的にまだまだ研究の余地があると感じています。

例えば、信号トランスを通すと100Hz以下の低音域のひずみが1%近くなる事もありますが、まったく嫌な音にはなりません。なので信号の周波数によってもひずみの感じ方が違うとも思います。

海外の高級メーカーの一部で、DACの出力やアンプの入力段に信号トランスをかましていることもあるので、音作りの一貫として「味」をわざと付けているのだと思います。

Transformer

<290万円のLINN KLIMAX DS と
  250万円のJEFF ROWLAND Model 625>

ルンダールの信号トランスは非常に優秀ですが、ひずみ率や帯域の広さという観点では当然トランスを通さない方が良いです。

 

 

さて、

300Bは価格が高いので球換えまでは試していませんが、初段の6SN7の方は互換球も含めていくつか試してみました。

Elekit03

その中でロシアのFOTON 「6H8C」は、ちょっとお気に入りです。 女性ボーカルに艶があって瑞々しいのと、ピアノの音がしっかりしていて音像がビシっと定位します。

初段の球によって音の傾向ががらりと変わるので終段の300Bの本当の音はどれなのか、まだわかっていません。懐が深いということだけはわかってきました。

 

これといってオチやまとめはないのですが、VFA-01やALX-03、JVC、サンスイなどの音とちがう傾向のものを聴くことができて、心の中にぐっと感じるものがあました。私なりに得るものがあったと思います。

 

このアンプ試聴シリーズ、いくつかつづく予定です。

お楽しみに。

 

 

 

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パワーアンプ」カテゴリの記事

コメント

お! プレートがカーボングラファイトの300Bですね。私の印象では低域の出かたが多分たかじんさん好みだと思います。同じ中華球よりはお買い得?小生の(自作)は直結ドライブでカソードバイパスコン容量多目で好結果でした。OUTトランスにも大奮発してしまいましたけど。

onajinnさん

よく解りましたね。 王道とか書いておいて、使っている300Bのことについて全然書いていませんでした(笑
ちょっと追記します。

直結ドライブは素晴らしいですね。 電源ON・OFF時の電圧も考えると設計が難しいような気がしています。

おっしゃる通りOPTで音の大半が決まってしまう傾向があるように思うことがあります。エレキットのはオリエントコアを使っていると書いていました。 今ならファインメットコアあたりでしょうか?

以前、ソフトンのOPTを持っていたことがあるのですが、使わずじまいで、売却してしまいました。。。

こんばんは、オーシャンです
今でもロシアか中華製以外の300Bは手に入るのでしょうか
次と言えば、211か845ですかね
MITAKEさんも少し前に真空管アンプを発表されてますので、アナログ回帰と共に流行っているのかもしれません
昔、友人の作った2A3のA級アンプを借りた事がありますが、Tr式とは全く異なる音に驚いた記憶が有ります

エレキットのTU-HP02、持ってます。
もっとも、購入したのではなく、発売記念モニター・キャンペーンに当選して入手しました。

TU-HP02はTU-HP01のようなロングセラーになるかと思っていたのですが、ひっそりと消えてしまいました。価格のこともあり、あまり売れなかったんでしょうかね〜。

そのうち、禁断のclass AAヘッドフォンアンプの4.8V版を組んでみて、TU-HP02と対決させようと思ってます。

若かった頃?3極管シングルで2A3や300Bをいじった事があります。300BはWEもあって、自己バイアス固定バイアス、トランスドライブと色々弄りました。211や845を踏み止まったのは、家族も使うので900ボルトは何かあったら、、、と考えてました。音はやはり出力トランスによるところが大きいと思いますが、結局今風の低能率のスピーカを鳴らしきれていないのでは?と思い、ゲッターも減ってきたところで球はやめました。今は石ですが、石で1回煙を吐かれた事があるので、パワーの自作はやめてアキュ使ってます。

オーシャンさん

オークションでは手に入ると思います。 WEはプレミアが付いていてとんでもない価格です。さすがに845までは行かないと思っています。いまのところ。
2A3も良いですね。


三毛ランジェロさん

おおお。 TU-HP02をお持ちでしたか。個人配布のポタアンや、メーカー製のを幾つか聞いたときにTU-HP02の音は、一歩、抜きん出ていたと思います。

ただ、真空管が使われていないというので売れなかったのでしょうか。残念です。殆どの人は音を聞かずに購入しているという証ですね。 TU-HP01と聞き比べる5千円の価格差は気にならないほど音の差に気づくと思います。


ひろせさん

素晴らしい経歴をお持ちなのですね。 私はまだまだ修行が足りていません。
能率の低いスピーカーをオーディオルームに持ち込んで大きな音で聞こうとすると100Wでも物足りなくなりますね。
むかし、300Wのアンプで爆音で鳴らそうとしたらスピーカーのボイスコイルが底打ちして怒られました(笑
家庭用のスピーカーでライブハウス感を出そうとするのは無謀だったようです。。

たかじんさん こんにちは

TU-870R(6BM8)をぺるけさんの三極管改造、カソード抵抗→定電流化、リップルフィルターの追加して使っております。

http://www.op316.com/tubes/single/single.htm

定電流化は、低音のセパレーションが良くなるようで、以前に試した、超三極管改造よりも、良いです。

先日、音がでなくなり、修理ついでに、ブリッジダイオードをRohmのSiC入れ替えとリップルフィルターのMOSもSiCに交換してしまいました。
立体配線なので、ケースに収める前に、一工夫してから音出しです。
ネットの改造記事を見ながらやったのですが、理解していないので
配線チェックをするために、回路図を起こしました。
スピーカーは、5cmのフルレンジAlpair5V2なので、スモールシステムです。

toto さん

おおお。私もTU-870を組み立てたことあります。Rはついていないモデルだったと思います。

TU-870は、お買い得感はあるものの、素のままでは満足できるほどの音にはならず、改造したくなりますよね。 私も改造してしまいました(笑

あのクラスは、つい弄りたくなる絶妙な音質にとどめておいて、そこから回路の勉強や球集めなどを始めさせる目的も背負っているのかもしれませんね。

SiC-SBD、SiC-MOSリップルフィルターとかなりの盛り込みですね。劇的に音質が向上するのではないでしょうか。

Alpair5V2ですか。 いいですね。 聞いてみたいです。


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