Select Your Language

免責事項

  • 本サイトの情報の利用、内容、サービスによって、利用者にいかなる損害、被害が生じても、著者は一切の責任を負いません。ユーザーご自身の責任においてご利用いただきますようお願いいたします。

    本サイトで頒布している基板およびキットは、技術者、またはそれに準ずる電気的知識をお持ちの電子工作ファンの方のためのものです。 一般のオーディオファンの方のためのものではありません。
    また、頒布基板およびキットは、いかなる条件でも動作を保証するものではございませんので、あらかじめご了承ください。

    電子工作では、火傷、感電、火災などの可能性があります。 十分に注意をして作業して下さい。

    営利目的のご使用は認めておりません。  記事の転載や、基板・キットの商用利用の方は、ご連絡ください。
    学生やサークルの学習目的でまとめてご購入する場合は特別なコースをご用意させていただきます。

スポンサー

« アレキサンダー電流帰還アンプALX-03 x MUSES03 x MOS-FET | トップページ | 基板の回路検証に最適なスマホ用の赤外線サーモグラフィー »

2017年12月29日 (金)

旧来のコンプリMOS-FETと、近代の大電流MOS-FETとの相違点

かつて、サンスイが特別なモデルにのみに使用していたMOS-FETの2SK405/2SJ115のコンプリメンタリペアが、なんと若松通商にて販売していることが分かりました。

A33

<<ネットで拾ってきた2SK405/2SJ115の写真>>

 

データシートのスペックを見ると、その後継モデルの2SK1529/2SJ200に多くの項目で負けています。 2SK3163/2SJ555は秋月電子で売っている大電流MOS-FETです。

 

特性比較

ざっと代表的なスペックを比較してみます。

      Vds   Id    Yfs    ciss  Zo(0.1A) Yfs/ciss

2SK405:  160V   8A  2.0S  430pF  3.2Ω   4.6
2SJ115:  -160V   8A  2.0S  800pF  3.2Ω   2.5
------------------------
2SK1529: 180V  10A  4.0S  700pF  1.8Ω   5.7
2SJ200:  -180V  10A  4.0S  1300pF  2.0Ω   3.1
------------------------
2SK3163:  60V  75A  80S  7100pF  1.1Ω   11.3
2SJ555:  -60V  60A  45S  4100pF  1.3Ω   10.1

 

100mA時の出力インピーダンスZoはYfs-Idグラフから読み取って算出しました。大きな電流が流せるデバイスほどcissが大きく、高速にはドライブしにくいという特性があります。

こうして表で比較しても、いまひとつ判断に迷いますね。製造年代が20年も違いますから、cissを大きくせずに大電流が流せるデバイスが開発されてきたハズです。

それを分かりやすくするためにYfsをcissで割った数値を最後に加えました。この数値が大きいほど入力容量に対して順方向伝達アドミッタンスが高いことを示します。2SK405/2SJ115と2SK3163/2SJ555では2倍以上の差がありますね。

MOS-FETを駆動する立場から見ると、入力容量のわりに、大きな電流が流れてくれるということは、負荷として軽いと捉えることもできます。

 

DENONは大電流MOSを採用

大電流MOS-FETは、従来のようにコンプリメンタリとしてペアでは作られていません。スイッチング用デバイスとして単独で、とてつもない大電流・低ON抵抗を目指しています。

DENONのUHC-MOSアンプは、大電流MOSの耐圧の低さを克服するためにFETのドレイン側に耐圧の高いトランジスタを挿入してタンデム回路で過電圧が掛からないようにしています。そんな事をしてでも大電流MOSを使うメリットがあったということでしょうね。(現在は、高耐圧MOSを準コンプリでつかっている模様)

電源電圧が±30V以下の小出力アンプ(ノンクリップ8Ω40Wまで)なら複雑怪奇な回路なしでそのまま使えます。

入力容量の大きなデバイスは、小信号レベルで考えると位相遅れが低い周波数で起きることを意味しているので、多量のNFBを掛けにくいと考えられます。ただし、出力インピーダンスがデバイス的に低いので、浅いNFBで済むという部分もあります。

 

サンスイは古めのコンプリMOSにこだわる

サンスイが2SK405/2SJ115に拘った本当の理由は知らないのですが、最大電流や低インピーダンス駆動などの数値ではなく、音質的に優れた部分があるからだと考えられます。入力容量の小ささや、NchとPchの繋がりの特性がよく歪みが小さい部分を狙っているとも考えられます。

データシートのVgs-Id特性をみると2SK405/2SJ115は、とてもなだらかに立ち上がっているのが判ります。後継品の2SK1529/2SJ200は少し急峻で、2SK3163/2SJ555は縦のスケールが一桁違うので比較しにくいですが、やはり急峻に見えます。

K405_vgs

K1529_vgs

K3163_vgs

このNchとPch間の繋がり「だけ」を考えるなら旧来のMOSが一番優れているとも言えますね。

日立の2SK1058/2SJ162などのコンプリメンタリMOS-FETは、Q点という温度特性がZEROになるポイントが低いところにあり、そこにアイドリング電流を持っていくことで温度補償をしなくても良い。 なんて話もありました。(実際にはドライバ段などを補正しなければいけないので完全になくす事はできない)

また、旧来のMOS-FETは静電破壊しやすいと言われています。 静電気には十分注意して下さい。(近代MOS-FETはゲートに破壊防止ダイオードが挿入されています。)

 

 

まとめ

それぞれにメリット、デメリットがあることが分かりました。 結局は使うユーザが自由に選択すればよいのだと思います。

こんなまとめ、いらねーよ。 と言わずに。。。(笑

 
 

MOS-FETは品種によりVgsが違う

MOS-FETは品種によりVgsが大きく違います。 

もし、ALX-03基板で旧来のMOS-FETを使うときは、バイアス電圧を決めているR28の抵抗値を調整して下さい。具体的には、現在の6.8kΩを4.7kなどに下げます。いきなり大きな電流が流れると恐いので、最初は低い抵抗値を使い、半固定抵抗を最低(反時計回りに回しきったところ)で電源を投入して、アイドリング電流がゼロならば、半固定抵抗を時計回りにゆっくり回していきます。

時計方向に回しきってもバイアス電圧が足りない時は、R28を少し高いものに交換します。 ここはpinソケットなど使わないで下さい。万一、接触不良などで回路がオープンになると過大なバイアス電圧になり、ヒューズが飛ぶまで電流を流しきるからです。

 

 

 

追記========================= 

2SK405/2SJ115を若松通商から購入してみました。

Mosfet02

あやぱぱさんの言うようにcissの小ささは、武器になるとも思います。 どんな音がでるのか楽しみです。

でも、2SK3163/2SJ555のエージングが3週間目に突入して、低域の厚みもでてきて、かなり良い雰囲気になってきました。 最初の音は、こりゃダメだなという感じだったのですが、こんなにも変わるものなんですね。(周辺定数やドライバTR交換などいろいろやってるので条件は異なりますが。) 今ではLAPTよりも中高域においては良い面があると感じるほどです。

 

こちらに2SK405/2SJ115を使ってみた感想を書きました。

 

 

 

にほんブログ村 PC家電ブログ PCオーディオへ にほんブログ村
ブログランキングに参加中です。 めざせ1位! 
もしよろしければ「ぽちっと」お願いします。 

« アレキサンダー電流帰還アンプALX-03 x MUSES03 x MOS-FET | トップページ | 基板の回路検証に最適なスマホ用の赤外線サーモグラフィー »

パワーアンプ」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです。
音的にはcissの小さいMOSが圧倒的に良いと思います。
2SJ200のコンプリはLHHのアンプで使ってましたが、1300pはデカすぎでした。800pの2SJ115は超魅力的です!

ドライブの軽さの指標としてYfs/cissは面白い着眼点だと思いますが、こと音質に関してはcissの小ささのファクターが大きいと思います。周波数で効いてきますから。NFBループに入れても大電流MOSはボケボケでヌケの悪い音になると思います。

あやぱぱさん

お久しぶりです。 今年はいろいろとお世話になりました。

確かにcissの小ささで選択というのは一理ありますね。
若松通商は2SK405/2SJ115をどこから仕入れているのか不思議です。 一時期ソニーのV-FETも売っていたらしいです。

随分昔の記憶ですが、UHC-MOSを使ったPMA-2000(もしかしたら IIかも)と、某M社のSA17をショップで比較したら、圧倒的にPMA-2000の方が明瞭でヌケが良くパンチのある音がしていました。
比較対象が悪すぎという話は置いておいて、山水やオンキョーを聞いてもクラスを超えた底力を垣間見た気がしました。残念ながらLHH A700とは比較しなかったと思います。
 
正直なところ、私もcissの容量の大きさを毛嫌いしてMOS-FET自体を使わなかったのですが、使いこなしているアンプがあるのは気になっていました。
LAPT(特にC2837/A1186)が、あまりに素晴らしいトランジスタであることは周知の事実ですね。

たかじん様
勉強させて頂いています。
この記事に触発されて、初段2SK2145BLのフォールデッドカスコード、終段2SK3163/2SJ555でドライバ段を省略したアンプを製作しています。低ゲイン・狭帯域は承知の上で、たくさん電流を流し、目一杯帰還をかけて数W以下ではまともに鳴らすコンセプトです。
疑問なのですが、高gm素子のFETのVgsはほとんど変化しないので、Cgsのチャージ電流はほぼ流れないのではないでしょうか?
Cgd(Crss)で比較する方が適当と思います。終段ゲインがあるとミラー効果も考慮する必要がありそうです。

はやたかさん

フォールデッドカスコードですか。 初段のドレイン電圧がクランプされて、高域が伸びるので帯域は広いです。 またゲインが1段のみですからNFB量が少なくて発振しにくいという面でも作りやすいともいえます。

ただし、欠点もあります。 電源電圧の影響を受けやすいのと、初段から2段目へと電流が分岐するため電流設定が少々シビアです。最適な抵抗値からずれるとまともに動作しなくなる可能性があります。

シミュレーションで抵抗値を振ってみて動作がどうなるのかを見てみると良いと思います。

FETのゲートチャージ電流の件ですが、カソードフォロアは、ゲインが1倍なのでミラー効果はありません。(容量がゲイン倍されない)

しかし、ご想像のとおりゲートチャージ電流はゼロではありません。 ドライバ段がしっかりしていないと高域が伸びにくくなります。 時折、2段目のハイインピーダンスな励振段に直接MOS-FETをつけている例がありますが、ドライブ能力がたりなくMOS-FETの能力を引き出せていないと考えています。

ですが、それを音作りと言ってしまえばそれまでですし、素子数の少なさからくる音の素直さもあるので、一概に音が悪いとも断言できません。

自作アンプは趣味性が高いですから、色々と作って経験値を積むというのも良いですね。 完成しましたら、ぜひご感想をお聞かせください。

たかじん様

設計ではシミュレーションを使いましたが、フォールデッドカスコードは直流動作さえ合わせればあとは微調整するだけなので、それほど困難はありませんでした。ワイドラーや電流帰還、普通のフォロワ付き出力段のフォールデッドカスコードの回路も書いてみましたが、いずれも超高域特性がけっこうシビアで・・・実装でも変わってきそうですし、オシロスコープなどの機材のない私が組むのは難しいな・・・と。安定そうな回路を選んだ次第です。

とりあえず完成したので音を聞いていますが、いわゆるmosらしい、たなびくような高域と余裕、余韻のある音が出ています。期待通りの音でしたが、期待より現実の方が大げさでした。10kHzで帰還量30dB弱くらいの設定(のはず)なので、そのせいです(苦笑)。あと、ALX-03 x MUSES03 x MOS-FETの記事で触れられている通り、定位感が非凡です。

楽しい音質ですが、エフェクタ一歩手前という気がします。逆に、見た目まともそうな回路でそうなっちゃうのも珍しそうです。

はやたかさん

素晴らしいです。もう完成したのですね。
フォールデッドカスコードはゲインが高くないので発振しにくいですね。

シビアというのは、少し説明がたりませんでした。 限られた電源電圧いっぱいに振幅させようとすると、設定がピンポイントになってしまうという意味でした。

低NFBで開放的な音を楽しむ良さもありますね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/587107/66213894

この記事へのトラックバック一覧です: 旧来のコンプリMOS-FETと、近代の大電流MOS-FETとの相違点:

« アレキサンダー電流帰還アンプALX-03 x MUSES03 x MOS-FET | トップページ | 基板の回路検証に最適なスマホ用の赤外線サーモグラフィー »

サイト内検索

Sponsors link

2018年5月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ