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2015年12月17日 (木)

VFA-01のカレントミラー上部のダイオードの働きについて

あまり文献には出てこないこの回路。 動作は、いたって単純です。 

Clip001_3 

Q7とQ8でカレントミラーを組んでいます。 

その上側に挿入されたD1・D2は、

 

 

まず、2段目の動作から説明いたします。 

 

差動回路は、右側(Q6)と左側(Q5)とで、僅かに電流バランスが傾いて信号を振幅させています。 

Q6のコレクタ電流ICが増えると、Q5のICは減り、Q7のICも減ります。 そしてカレントミラー電流が折り返されたQ8もICが減ります。 右側だけみると、Q6のICが増えた分だけQ8のICが減るのです。 そうして出力電圧は高い方へと振幅します。

このときは、D1は電流を通しているだけ。 D2はリバース方向の印加なので特に作用しません。 

逆に Q6のICが減ったときは、Q5のICは増えて、Q7のICも増える、つまり、Q8のICも増えます。 そうして、出力は低い方へと振幅してゆきます。 Q8のVce(sat)まで到達すると、それ以上振幅できなくなります。

ところが、もっと大きく振幅させるような入力が入った場合、Q5のICがさらに増えて、Q8のベースへ過剰な電流が供給されることになります。 

 

トランジスタは、ベース電流のhfe倍 コレクタに電流を流そうとするのは、色んな教科書に載っているとおりです。 飽和領域に近づくとhfeが急激に低下して、ベース電流を沢山流してもコレクタ電流が反応してくれなくなります。 もっとトランジスタを駆動しようとして、ベースに過剰にキャリアが注入されると、トランジスタ内部でキャリアの蓄積が起こり、ベースの電位がなくなってもしばらくの間、コレクタ電流が流れ続けてしまう現象があります。 

じつは、このベースへの過剰な電流の注入をD2を伝って逃がすことで抑えているのです。 D1は、D2の順方向電圧Vf分のかさ上げです。 

 

 

せっかくですから、実際の波形を見てみましょう。 

まずは、D1、D2が無いときの波形です。 分かりやすくするため、10kHzの正弦波を使っています。 (8Ω負荷での波形) 

Clip010 

信号を思いっきりクリップさせると、下側から復帰するのが遅れて、その後、ぴょんとヒゲがでているのが分かりますね。 

 

次に、D1、D2を入れた時の波形です。 

Clip011 

僅かに復帰は遅れてはいますが、ぴょんと飛び出る波形がなく、滑らかに正弦波へと繋がっているのが分かります。 カレントミラーに使っているトランジスタ2SC2240は高速なトランジスタなためか、キャリアの蓄積で遅延する時間が短くてヒゲは僅かしか出ていません。 しかし、D1、D2を入れることで確実に波形の復帰がスムーズになっています。 

 

10~20W程度の小出力アンプでは、クリップするのは日常茶飯事と考え、このような対策をとることは必須だと思います。  (ヘッドホンアンプHPA-12は、クリップ対策してません) 

 

今回、10kHzで思いっきりクリップするパワー(約15W 8Ω)で駆動させていますが、このアンプ自体の不安定要素が少ないため、こんな条件で30分や1時間連続で出力し続けても、ぜんぜん平気です。 もしスピーカーを繋いでいたとしたら、スピーカー(ツィータ)の方が、辛いくらいでしょう。 

パワートランジスタは、意外と熱に強く、温度上昇試験でパワトラ表面温度が120℃に達したとしても即座には壊れません。 

とは言っても、基板から何かにおいがするくらいの温度になったら、出力を下げてやってください。 (ヒートシンクのサイズに依存するので) 

 

 

 

 

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コメント

たかじん先生
お忙しい所、早速、D1,2の働きを丁寧に解説いただき、ありがとうございます。ブリッジ回路の半分がこんな所に?、整流がなんで必要?? 多分、保護回路だろうなとは思っていましたが、オシロの波形まで実例として示していただき、懇切丁寧な解説、大変良く理解できました。この1,2年、トラ技とかよく読んでますが、見たことないダイオードの使い方です。カレントミラー負荷の説明を含め、これだけ詳しい解説は他に無いのでは? 本当に価値あるHPと思います(それだけ、たかじんさんがご苦労されているということですが)。我々は恩恵をいただくだけで大変申し訳ないです。
ところで、D2は約4pFの容量を持っていますので、音質への影響が気になる所です(無視していいのかな)?
カレントミラー負荷は直ぐに最大振幅まで行ってしまうので、やはり、増幅段には別電源がほしい所ですね。

kontiki さん

ダイオードの容量に関して、仰るとおり影響はゼロではありません。 しかし、その上部で47pFの位相補償コンデンサがあって、そちらの方が周波数応答として支配的な容量となっているので、実際には差はでないと思っています。 

電源は、各社各様ですね。 電圧増幅段と電力増幅段でトランス巻き線から分けているメーカーもありますし、巻き線は一緒で整流を2つ、もしくは整流も共通という製品も沢山あります。 有名なのはSONYのSTD電源でしょうか。 巻き線一緒で、整流を独立させています。 つまり電圧は一緒です。 この方式は、わざわざ特別な名称をつけずに沢山のメーカーが使っています。 

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