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2013年4月11日 (木)

2ポール位相補償

C1815ft

こちらのグラフは、2SC1815のトランジション周波数特性(ft)です。ftはコレクタ電流(Ic)に依存します。一般的な増幅回路として使うIc=1~5mAという領域では130MHzから300MHzとなります。常にft 500MHzで使える訳ではないことに注意してください。

出力段は、エミッタフォロアーのため比較的高域の伸びは良いのですが、C3421/A1358はA1015/C1815ほど周波数特性がよくありません。(C3421のftは120MHzと書いてあります)

許容コレクタ電流が大きなトランジスタを使うと小信号TRにくらべて高域限界が低くなり、10MHz程度でも位相が回ってくることになります。

NFB量が多いHPA-12(ディスクリートヘッドホンアンプ)では、今までの位相補償だけではちょっと位相余裕が足りなくなってしまうので、2ポール位相補償というものを使います。ラグリード型位相補償ということもあります。

 

回路図では、C1extとR1extが2ポール位相補償回路になります。シミュレーションファイルもありますので、興味がある方はいじってみて下さい。

Laglead

このCR回路は、Lag-lead、Lead-lag型フィルタと呼ばれるものの一種で、特性は階段状にアップ、もしくはダウンします。 2ポール位相補償では、Lag-lead型をいれてオープンループ特性にステップダウンを追加することになります。

 

 

2ポール位相補償の周波数を変えると、以下の3通りのオープンループ特性が得られます。

Twopole_3

(1)元のポールの周波数と位相補償のポールの周波数を同一にしたケース。

(2)位相補償のポールをもっと高い所に設定したケース。

(3)位相補償のゼロを、元のポールに近い周波数にしたケース。

 

多くの設計では、(1)もしくは(2)の特性を狙って、ゲイン交点より少し低い周波数の位相を最大に持ち上げるように設定します。ゲイン交点より高い周波数はNFBが掛かっておらず位相余裕が無くても発振しにくいため、このような設定にすることが多いのです。

 

例として、(2)の周波数設定で派手に2ポール位相補償した特性はこのようになります。

Twopole_3

クローズドゲインは10dBですのでゲイン交点は約3MHzです。 そこでは52度の位相余裕が生まれています。

 

高域側のシミュレーションを正しく行うには、使用するトランジスタ特性に厳密に合わせたデバイスモデルが必須です。トランジスタメーカーがSPICEモデルを用意していない場合は、ざっくりと様子見するだけにとどめ、実機で検証するようにします。 

また、厳密にシミュレーションしても実機で不具合を起こすこともあるので、シミュレーションに拘って時間を費やすくらいなら、実際にアンプを組んだ方が経験値が上がると思います。 

 


※)当初、紛らわしいグラフが掲載されていて誤解を招く記事になっていましたので、わかりやすい図に差し換えました。 ご指摘ありがとうございました。

 

 

 

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コメント

2ポール位相補償になってないんですが...

ちょっと分かりにくい図かもしれませんね。
この図の周波数でいうと、300kHzあたりに2ポール目があり、1.5MHzのゼロまでの間が-40dB/decで落ちています。

勘違いする方もいらっしゃるのですが、某OPAMPのように1ポール目と2ポール目が近い(同じ)場合のことだけを指すものではありません。位相補償を最小限に抑えてオーバーオールNFB量を稼ぐ手法として、40年前から20年前くらいに多く使われたテクニックのひとつです。

返信をありがとうございます。ゼロ点を配置した、とおっしゃる周波数から位相が戻らず、位相余裕を適切な値にできていないように見えるということで指摘させていただきました。オーディオ・アンプで用いられる2ポール位相補償では、3つ目のポール(10MHzとか30MHz)を仮定し、位相余裕の極大となる周波数付近でクローズドループゲインがカットオフするように定めるのが一般的であると感じます。一枚目の画像の場合ですと、ゼロ点の周波数があまりに高いために、失敗した(スタガ比を十分にとれていない、2ポール目の周波数が低すぎる)1ポール位相補償に近い状態に成っていると考えます。

以前に私もこのページの結果を変に思ったので
http://nw-electric.way-nifty.com/blog/hpa12_classA.html
こちらの回路図の定数でシミュレーションしてみました。結果はこのページとは異なるそれらしいものになりました。このページの結果は回路図がないのでなんともいえません。
計算ではゼロは時定数C1extとR1extから約500kHz、2段目入力インピーダンスZiが概算で中域でZi=C3*(1+R14/(C3+寄生C))≒R14とするとポールは時定数C1extとR1ext+R4+R3//R14で約100kHzとなります。1ポール補償より約14dB負帰還量がとれるなら利点が出ていると思います。ループカットオフも計算で考えたのですがシミュレーションとは3倍くらいずれてしまって、何か間違えているようですがわかりませんでした。

R14が大きいため2段目でRHPゼロがR14とC3から約10MHzになり安定性が減っているようなのが気になります。

○○さん
ダンベルカールさん


おっしゃる通りですね。 このシミュレーションでは十分な位相余裕が出ていません。 最大の理由は使用TRの特性をちゃんとあわせていないからです。なぜ合わせないのかという話では、シミュレーションで完璧を求めても仕方ないからです。 ご存知と思いますが「完璧なシミュレーション=実機で不具合なし」という式は成り立たないですからね。 おおよその見込みが付けられれば、あとは実機検証します。


さてさて、
お2人ともお詳しいようですので、これ以上の説明はいらないとは思うのですが、ざっくり書きます。

この時の定数を憶えていないのですが、2ポール補償では、位相をより戻す効果と、高域ゲインを早く落としてしまう効果の2つがあり、1ポール補償のみとは違ったカーブを描きます。それを安定性重視へ振るかNFB量重視に振るかは設計者次第です。

シミュレーションでも2ポール位相補償の値を大きくしてあげることで位相のより戻しを大きくすることは可能と思います。

ただ、あまり大きな補償値にすると音質を損なってしまうため、この辺の設定の追い込みは各社各様です。ギリギリを狙って市場で不具合を起こしてしまうメーカーがあるくらい「補償値を小さくしたい」という事からも想像できるかと思います。(カタログのスルーレートなど値にも影響します。)

そして、高域限界付近において、シミュレーションと実機が一致しないことはよくあることです。基板パターンやリード線の曲がり、パターン間容量による結合なども厳密にシミュレーションすれば近づくかもしれませんが。。。 クリップ直前の寄生発振はシミュレーションでは起きにくいですね。


まあ、結果からすると、
2ポール位相補償の効果を説明する記事としては、もっと派手に補償値を入れて、こんな風に位相余裕が取れますよという模範的なグラフにしておくべきでしたね。 

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