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2013年3月 4日 (月)

AX-Z911修理完了  感動的なA級アンプ

ビクター 名機 AX-Z911 修理完了

Axz911_1

昨日、いろいろと書きましたが、ノイズ発生源の特定が難航して苦労しました。 

幸いネットを徘徊しているうちにサービスマニュアルが見つかりまして、大分らくになしましたが、結局は昨日書いたように、片っ端からTR交換というテキトウ極まりない手段しか持ちあわせていませんでした(笑    はずかしい・・・

 

今日は、そんな話ではなく、このアンプの面白いところを紹介させて下さい。
 

Axz911_2



このアンプはビクター AX-Z911と言いまして、1988年ころのモデルです。 
ご覧のように表示部がたいへん美しいです。 

1980年代初頭より、擬似A級という技術が各社からでていて、AB級の消費電力・発熱でA級の音質を狙う(謳う)ものが多かったようです。

テクニクスのclassAAもそういった技術のひとつです。 ビクターはダイナミック・スーパーAという方式でした。 詳しくは知らないのですが、バイアス回路を工夫してアイドリング電流はAB級程度でもカットオフはしないというものだと思います。 それにより、クロスオーバー歪などの発生を抑えるというものじゃないでしょうか。 今風でいうとトランスリニア動作と似たような効果を発揮するものだと思います。


このモデルは、単にDACを積んだだけではなく、DACを搭載したからこそ可能な面白いことをやっています


デジタルデータで信号を受け取るので、メモリに一旦データを蓄えて遅延させてからDACへと送り出しています。 そして、遅延なしでも信号を処理していて、DACへ送っているデータより先読みする形で信号の強弱(エンベロープ)が把握できます。 それを利用してパワーアンプのB電圧を2段階切り替える回路を制御しています。


 

  B電圧を可変してどうするか。

 

実はこのアンプ、デジタル入力時には擬似A級動作ではなく、純粋なA級動作をさせているのです。 パワーを抑えて20Wの純A級アンプとなっています。 なんとアイドリング電流は1.3A/chを超えます。 
 
 
20Wを超える出力が予想されるとき、B電圧を前もって120W用の電圧へと切り替えて出力波形がクリップしないようにしています。 信号が小さくなればまた20W用へと戻します。

このようにして、必要なときだけB電圧を上げるという純A級120Wアンプを作り上げました。
DAC内蔵することでA級アンプながら発熱を抑えることに成功していたのです。


  
      Axz911_3
 
 
もう少し、このモード切り替えを詳しく説明しますと、下記のようになっています。




アナログ入力:                 擬似A級120W
 
デジタル入力:20W以下のとき         純A級20W
         20Wを短時間超えるとき    純A級120W

         20Wを大きく超えるとき    擬似A級120W

アナログ・デジタル共に、一定の熱を超えたとき  擬似A級20W
 
 
と複雑な制御をしていますが、アンプの回路自体はいたってシンプルな構成となっています。

このクラスのプリメインアンプらしからぬ、トーンコントロールなしプリアンプなしDCカットなし。です。 
 
 
つまり信号は、入力セレクタ後、バランスボリューム、音量ボリュームを通って、そのままパワーアンプへ入ります。  バッファアンプやフラットアンプなど一切入っていない、完全な1段DCアンプです。 DACダイレクト時では、さらにリレーで入力セレクタ、バランスボリュームすらバイパスするという徹底具合

 
 
その甲斐あってか、アンプの回路がうまいのか、非常に滑らかで透明、かつ、奥行きや広がりの表現が得意です。 ビクターのスピーカも空間の表現がすばらしいものが多いので、アンプも一貫してそういう音づくりを目指していたのかもしれません。

 
擬似A級と、純A級の音の違いですが、このアンプだと音の深さとか、滑らかさ、音楽へ引き込む引力のようなモノが断然ちがいます。 クロスオーバー歪がどうとか、スイッチングノイズとか、そういうのとは次元が違うところでA級アンプの良さっていうのがあるのかもしれません。  
 
先日のサンスイ907と比べてクセが少なくナチュラルな雰囲気。 サンスイ独特の艶やかさや芯の強さがないので、907の後に聞くとちょっと物足りなく感じてしまうというのはありますが、残響音の美しさ、空気感、音の透明度では勝るのではないでしょうか。
 
奇しくもフルディスクリートヘッドホンアンプHPA-12と同じ、差動1段構成というシンプルなアンプのなせる業なのかもしれません。
 
 
色々いじっていて、ちょっとした裏技を発見しました。 このアンプ、本来はアナログ入力時には純A級動作させるとこはできません。 しかし、デジタル入力に何か信号をいれておいて、アナログ信号をDAT2へと接続して、DAT2モニターをONさせると、アナログ入力ながら純A級動作で音を聴くことができます。 

 
内蔵DACではなく、外部DACの方を使いたいときは、このようにすることで20Wまでは問題なく使えます。  おそらく、普通のご家庭で、普通の音量で聞くかぎり20Wを超える出力はいらないと思います。 
 
内部には動作のインジケータLEDがあって動作モードがわかるのですが、これは、フロント
パネルにも出しても良かったのではないでしょうか。 


個人的には、この内蔵DACの音も割とよいなと思いました。 スペック的には、いささか古さを感じさせる4倍オーバーサンプリングフィルタのマルチビットDAC。
当時、高級機でもよく使われたPCM56ですが、シングル使用でS&Hにて2チャンネルに振り分けています。 


 
この次のモデルのZ921ではビクターお得意のK2インターフェース内蔵で8倍オーバーサンプリングデジタルフィルタと洗練されていきますが、デザイン的にはSWが少なくシンプルなZ911の方が好きです。


基板パターンを見る限り、パワーアンプ部と、DAC部の設計者が違うように思います。
どちらも、非常にうまいパターンで、よく考えられた設計であることは間違いありません。 




※)ちなみに、壊れていたのはトランジスタではなくダイオードでした・・・
    ということで交換したTRは全て元通りに戻しました。   




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電子回路」カテゴリの記事

コメント

はじめまして
AX-Z911を所有している者です。

記事を拝見し、もう少し詳しく教えていただきたいことがあり、コメントを書いている次第です。
オーディオには、興味あるけれど、知識は全くなしという男ですが宜しくお願いします。

純A級動作をさせるのに、DATに信号を入れておいて、アナログ信号をDAT2に入れると、、、という一文がありました。

このDATに信号を入れるというのは、実際に音源をまわして入れておかなければいけないのか、ケーブルを繋げておくだけでいいのか、、どちらでしょうか。

また、アンプの消費電力は 疑似A級と純A級では、変わってくるものでしょうか?最近、このアンプで音楽を流し続けてから、電気代がだいぶあがっているようなのです。

入手してから数年経つのですが、デジタル入力をしたことがなく、今回、スピーカー(ダイヤトーン DS-28B DS-251mkII)を手に入れたので、アンプの能力を活かせたらいいな、、、と思っています。

お時間あるときにでも、ご教授いただけるとうれしいです。
宜しくお願いいたします。


AX-Z911は、純A級で動作させると、音はなかなか良いです。
その代わり、発熱もすごく、電気を沢山消費しているかと思います。

デジタル入力に信号を入れて、入力セレクタをその入力に選択すると、
インジケータが変わって内部DACを使うようになります。
その状態が純A級動作です。 30分くらい音楽を鳴らすと天板は触れないくらい
の温度になります。

裏技は、デジタル入力しながら、DAT2のアナログ入力に信号をいれて、
DAT2モニターをONにします。 アナログ入力ながら、純A級動作になります。 
デジタル信号を止めると擬似A級に戻ってしまいます。

擬似A級と純A級の音は、少し違うと感じます。 言葉で表現するのは難しいですが、
懐の深い音、余裕のある音、になると思います。

回答ありがとうございました。
早速、ケーブルなど購入してトライしてみます。

純A級だと、さらに発熱すごいのですね。とはいえ、これからのシーズンですので、ちょうどいいのかもしれません。

はじめまして,突然の質問ですみません。
VictorのプリメインアンプのAX-Z911のA級動作時の電圧調整がうまくいきません。

可変抵抗,R457 とR458を回し,80mVから150mVまであげないといけないのですが,初期値の0mVからちょっと可変抵抗を回しただけ(2mVくらい)で「ブーン」とハム音のような音が発生します。
左右とも同じ症状です。

また,修理前は可変抵抗の後ろの4.7Ωのヒューズ抵抗(R511とR513とR514の3個)が右側2個,左側1個が断線していましたので取り替えましたが以上のような症状が出ています。

A級動作時以外は,他の可変抵抗による電圧調整も問題なく,規定電圧できれいな音で鳴っています。A級動作時のどの部品が悪いと考えられますか?

困っている「電圧調整」の可変抵抗は,原文では,idling adjustment for "Digital Pure-A" となっています。
可変抵抗による調整箇所が3カ所あって,上の二つは以下のようになって基準値で調整できます。
1,Power Amplifier Center Voltage Adjustment 0±0.5 mV
2,idling adjustment for "Dynamic Super A"  30秒後に1.3mV  5分後に3.3mV
3,idling adjustment for "Digital Pure-A"     1分後に80mV  5分後に150mV  

専門用語でわかりやすくお伝えできればいいのですが,申し訳ありません。勉強不足の素人が手を出す領域ではないのは,十分わかっているのですが,なおったときの感動が忘れられず,今にいたっています。理論も勉強中ですのでよろしくお願いいたします。

まっせんさん

ヒューズ抵抗が切れる時点で、何か不具合が生じている可能性が高いです。 ヒューズのみを入替えても、不具合のもとを治さないといけないと思います。

厄介なのは、SUPER AをつかさどるIC(VC5022)です。 これが故障していると手の出しようがありません。 バイアス調整(アイドリング調整)ができないとのことで、このあたりが怪しいと思うのです。

あとは、その近辺のトランジスタ(2SC1815/2SA1015)やダイオードを交換してみるくらいですね。 私のは、D421が壊れていました。

早速の返信ありがとうございます。
切れたヒューズ抵抗前のダイオードD421,D422,D423,D424を代えようと思うのですが,代替品の品番等はわかりますか?
ENH-104-2(DIGITAL PURE A CONTROL)基板でも半田はがれや怪しいダイオードがあったのですが,R461をあげていくと発生する「ブーン」という音とも関係があるのでしょうか?

まっせんさん

1SS81が純正ですが、入手しにくいので1N4148を直列に2個使って対応しました。
耐圧が120V以上ある小信号用のダイオードでも良いと思います。

へんな音が聞えているときは大抵発振しているので、スピーカーを燃やさないように気をつけて下さい。 アンプを修理するならオシロスコープが必要と思います。

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