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2013年3月26日 (火)

HPA-12の動作について(3)

出力バッファ部(電力増幅部)の説明は、以前、設計した時に殆ど説明しましたので、特に追記することはありません。
  

本日は、NFBと位相補償についてです。
 

この辺りは、周波数特性と位相の関係、アンプの安定度に関する部分ですのでわりと重要なのですが、説明しにくい部分でもあります。
 

説明を分かりやすくするためにシミュレーションを使ってみます。
 

Hpa12_5

 
オープンループ特性 実線がゲイン 点線が位相です。
位相補償無しの状態です。

 
この辺りは、テスタやオシロで見える訳じゃないのでシミュレーションである程度様子を見るのがラクです。赤丸が1stポール。2段目で発生しています。

 

青丸が2ndポール。 初段で発生していると思います。

 

このままNFBを多量に掛けると確実に発振します。
 

古くはスタガー比と言って、ポールの間隔が広いほど多量のNFBがかけられる。 逆に狭いと発振すると言われていますが、正確には2ndポールの周波数がゲイン交点(仕上がりゲインとの交点周波数)より、ちょっと高いことが重要です。 

上の青丸の周波数では、仕上がりゲイン10dBよりも35dBほどのゲインが高いので確実に発振します。

 

試しにNFBを掛けてみます。 青丸の周波数にほぼ一致。 面白いですね。


Hpa12_6

 

このように周波数特性にピークがあるときは発振しているとみなせます。

   

 

非反転アンプだと、NFB側の入力は反転していますので、その位相が更に180度回転すると1周回って正帰還となってしまうために発振するのです。

 

 

ポール1つに付き位相は90度回転します。 つまりポールが2つあると180度。2ndポールの周波数で、まだアンプのゲインがあると発振出来るだけの増幅があって発振に至ります。 位相余裕は45度以上あると安定と一般的に言われていますので、正確には135度までの位相遅れが許容範囲となります。

 

 

 

2段目のミラー容量の所へ位相補償コンデンサを47pFほど入れるとオープンループ特性はこのようになります。

 
Hpa12_7

 

 

 

赤丸と青丸が離れます。 ただし、青丸の周波数ではまだゲイン交点と同じポイントにあるので発振します。  位相特性からすると、約130度の周波数でゲインと一致する27~28dBの仕上がりゲインのアンプなら安定しているといえるでしょう。

HPA-12は仕上がりゲインが10dBなので、もうひといきです。 
 

 

 

Hpa12_7_2

 

 

 
本来は、この図のように
 

1.位相補償容量をもっと増やして2ndポールをゲイン交点より高い周波数にする。

   (赤のラインへと移動させる方法)

2.初段や2段目のゲインを下げて、2ndポールの周波数でNFB量が0dB以下にする。

   (青のラインへと移動させる方法)

 

というのが安定的な設計なのですが、デメリットもあるので、別の方法を取ります。  

 

そもそも、こういう高周波特性のシミュレーションは、ちゃんとデバイスパラーメータが合っていないといけないですし、配線パターンのLやC成分が入っていないので、このシミュレーションは、あまり正確ではありません。 ある程度様子を見る。

参考にする程度に留めておくべきでしょう。 

 

 

 

今回は、進相位相補償という手法を使っています。 これは、位相遅れが原因で増幅できる周波数ギリギリの高周波領域の位相をちょっとだけ進めて補正する方法です。 NFBの抵抗に並列に小容量のコンデンサを挿入します。 

 

 

HPA-12ではこの進相位相補償に10pFを入れていますが、実際には5p~8pFくらいが適正値のようです。 電圧が足りなくなったりして、若干の不安定さが回路の何処かに生じると発振モードに移行する可能性があるようです。 安全をみると、1段目のエミッタ抵抗に33~100Ω程度いれてオープンループゲインを下げておくのが良いのかもしれません。

 

 

 Hpa12_9

 

結果は、こんな感じ。 少し高域がいびつですが、発振するようなピークは消えました。 

 

また、初段にJFETを使った場合は、初段ゲインが少なく高域ピークの可能性は低くなります。 

 

上の青のラインへと移動する方法と同じ効果があるためです。

 

 

このような周波数特性図をボード線図(古くはボーデ線図)と呼びます。 こんな図ばかりになってしまうと、なんだか意味不明な説明になってしまいますね。 わかりづらいです。

 

 

 

 

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