Select Your Language

免責事項

  • 本サイトの情報の利用、内容、サービスによって、利用者にいかなる損害、被害が生じても、著者は一切の責任を負いません。ユーザーご自身の責任においてご利用いただきますようお願いいたします。

    本サイトで頒布している基板およびキットは、技術者、またはそれに準ずる電気的知識をお持ちの電子工作ファンの方のためのものです。一般のオーディオファンの方のためのものではありません。
    また、頒布基板およびキットは、いかなる条件でも動作を保証するものではございませんので、あらかじめご了承ください。

    電子工作では、火傷、感電、火災などの可能性があります。十分に注意をして作業して下さい。

    営利目的のご使用は認めておりません。 記事の転載や、基板・キットの商用利用の方は、ご連絡ください。学生やサークルの学習目的でまとめてご購入する場合は特別価格でご提供させていただきます。

スポンサー

無料ブログはココログ

« ヘッドホンの駆動に必要な電圧/電流について | トップページ | 結局、飽和領域とは »

2012年6月20日 (水)

真空管の飽和領域

先日、バイポーラトランジスタとFETの静特性の飽和領域を比較した続きです。

真空管はどうなの? 
という疑問があったので、ちょっと調べてみましたが、あまり詳しく説明されているサイトが見つかりません。

ということで、下記は間違った解釈が含まれているかも知れませんので、そのつもりで読んでくださいませ。


El84vpip


これは、EL84という5極管のVp-Ip静特性です。(Ep-Ipとも言います)
他の5極管、ビーム管もだいたいこのようなカーブです。

調べた限りでは、この水平方向へ平らになっている部分を飽和領域と呼ぶらしいです。 
FETと同じですね。  もともと5極管とFETの特性は似ていると言われていますので、まあ予想通りというふうに思いました。

点線になっている部分は許容プレート損失を超えている領域です。
定常的にその領域を使うのはダメですが、瞬間的にはこのようなカーブを描くということなのでしょうか。
 
 



 
そして、ここからが問題の3極管の特性です。


6111vpiplow_2

GEの6111というサブミニュチュア管で、最近はヘッドホンアンプで使われていたりして、わりと有名な球かもしれません。

この図を見ると、一見、飽和領域のような平らな部分がないように見えます。  いわゆる3極管特性というヤツです。
グリッド電圧がプラスになっている線を省くと、もっと分かりやすいです。

ところが、この6111のデータシートには、もっとプレート電流が大きい部分の図も載っています。  こちらです。

6111vpiphigh


ここを見ると、MOSFETのVgs-Id特性と似てきますね。 グリッド電圧も思いっきりプラスに振っています。

いままで3極管特性という幻想に惑わされていたのか?
縦のレンジを大きくしてみると、みんなこういう特性だったのでしょうか。

他の3極管でも、大電流領域(グリッド電圧がプラスの領域)が載っているものは、同様のカーブが描かれています。

このカーブを眺めていると、やはり飽和領域はあるようですね。


6111vpiphigh02


線を引くなら、こんな感じでしょうか。  
この線の右側がすべて飽和領域というのであれば、一体なにが飽和しているのでしょうか・・・  疑問は深まるばかりです。



念のため、6111の内部抵抗rpをこのカーブから計算してみました。

上の「低電流領域」のプレート電圧100Vから120Vでグリッド電圧-1V一定の時は、おおよそのプレート電流は
13mAから18mAとなっていますので、

    内部抵抗 rp=(120-100)÷(18mA-13mA) = 20÷ 5mA =4000 [Ω]

では、「高電流領域」のカーブからは、プレート電圧100Vから120Vで、グリッド電圧+20V一定、
おおよそのプレート電流は、160mAから170mAとなっています。

    内部抵抗 rp=(120-100)÷(170mA-160mA) = 20÷ 10mA =2000 [Ω]


驚いたことに、高電流領域で、平らに見えてきている部分の方が内部抵抗が低いんです。
グリッド電圧をプラス側へバイアスしてガンガンにプレート電流を流すような動作をさせると何か変わった
ことがおきるのかもしれませんね。

ちょっと面白い発見をしたところですが、このつづきはあるのか私にもわかりません。

« ヘッドホンの駆動に必要な電圧/電流について | トップページ | 結局、飽和領域とは »

コメント

このサイトの全ての記事を読ませていただき、勉強させていただいています。

>グリッド電圧をプラス側へバイアスしてガンガンにプレート電流を流すような動作

これは A2級動作と呼ばれています。
送信管を用いたシングルアンプで、大変良く用いられます。UV-211 A2級だと、40Wぐらい取れるとのことです。 作ったことはありませんが・・・。

nGuinさん

>これは A2級動作と呼ばれています。
何かの雑誌で見たことがあります。   この領域を使った動作だったんですね。
ありがとうございます。
ここまで電流を流すと、パワーがでるけど寿命が短そうです・・・

たかじんさん

返信ありがとうございます。

A2級はもともと送信管用途(C級でパワーを振り絞る)の球で行われるので、寿命が短いという話を聞いたことはありません。

ただいま勉強中で、カレントミラーの意味を少しずつ教えていただいております。 ありがとうございます。

なるほど。 大電流領域を使うといっても、定常的に電流を流す部分を
普段より大きくするのではないから、プレート損失も大きくなる訳じゃないんですね。
失礼いたしました。

グリッド電圧を、+電圧まで振るってことろがA2級なんですね。 勉強になりました。

ということは、左下のプレート電圧が非常に低い領域ではゲート電圧で可変する可変抵抗素子として挙動しているのでしょうか。このように。
http://mrotqch.webcrow.jp/stomp/VCR2.png

たまちゃんさん

抵抗の場合は、左下から一直線に右上に向かう線になります。
抵抗値が低いと角度が垂直に近く、抵抗値が高いと寝てきます。

つまり、可変抵抗になるには、ゲート電圧で直線の「角度」が変わるグラフになっていなければいけません。

非常に低いプレート電圧のとき、そういう領域があるのかもしれませんが、範囲が狭いので有効利用するにはテクニックが必要そうですね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 真空管の飽和領域:

« ヘッドホンの駆動に必要な電圧/電流について | トップページ | 結局、飽和領域とは »

サイト内検索

Sponsors link

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30